僕らの音楽  剛×フミヤ「Another Orion」 対談:小栗旬etc.


今夜の「僕らの音楽」では、3曲が披露された。フミヤさんとのコラボの「Another Orion」、2004年の映像で「優しさを胸に抱いて」、セルフカバーの「街」。そして、対談のお相手は小栗旬くん。


このフミヤさんとの「Another Orion」は圧巻だった。
まさにアーティスト同士の一対一のサシの勝負。派手に剣を交えるのではない、目を閉じたまま互いの気を読みあうような静寂と緊張。冬のピンと張り詰めた空気がその場を支配し、彼らのしなやかなヴォーカルが永劫の星空へ吸い込まれてゆく。まったく言葉を失うとはこのことで。こないだの「古い日記」では思わず立ち上がったが、今宵はひたすらウットリと腰を抜かしつつ、コラボの醍醐味に酔いしれる。


「優しさを胸に抱いて」は、2004年の過去映像。
この曲のできた経緯から言って、あらーもしかして2コーラス目だけ新しく撮ったものだったりしてー!という期待も空しく、新旧歌い比べは叶わず。でも、番組の真ん中に25歳の彼を挟むのは面白い試みだったと思う。どこか「自分探し」の真っ最中、想いを表現するのにしっくりくるスタイルを必死に模索してる、といった印象だったあの頃と現在の姿をこうして比べることで、彼の変化がクリアに見られた。


最後に歌われた「街」と比べてみても言えることだが、このアルバムで剛さんは本当に自然に歌っている。余計な力はもうどこにも入っていない。迷いなく、今を生きる自分の奥深くから湧いてくる想いにとことん忠実にその声を添わせている。


小栗くんとの対談。急にお兄ちゃんの顔になる剛さんが面白い。13年後の「Summer Snow」の兄弟はすっかり仕事に生きる男の顔。気心の知れた笑顔の中にお互いの仕事へのリスペクトを隠さない。
そこで剛さんに注目発言が。(笑)


小栗 「漠然となにかやってみたい役とかあるんですか」
剛 「多分、全身で芝居したいっていうのがあるっぽくて、自分の中から溢れてくる涙とか汗とか熱量とか呼吸とか、そういうものが映像に付着するようなかんじの芝居がしたいなあ、っていうのは今すごくあって。漠然と「いのち」がテーマの、その役と共に成長できるようなものをいつかやってみたいなあと思うよね」
小栗 「また共演したいですね」
剛 「したいね」


やけに熱い。熱すぎる。もしかしたら、剛さんてば演じることだけでなく、舞台のプロデュースなんかにも興味が湧いてきているのかな、と思わせる発言も。


剛 「友達みたいな人たちと超友達みたいな人たちとひとり芝居みたいなステージをつくったら新しくて面白いものができるんじゃない?脚本も自分でつくって」
小栗 「やりたいことはいっぱいあって。来年以降の目標としては、できれば同世代の芝居をしたい俳優たちと皆で何かやってみたいと思ってます」
剛 「やりたいと思ってることはできるよ。その時、音楽が必要だったら言ってよ」


かっこよすぎます、この兄弟。こういうクリエイティヴで反骨精神もある人たちが、これから中心となっていろんなシーンを支えて行くんだろう。
剛さんが対談相手に彼を選び、こういう会話をこの番組であえて流したということは、フジテレビさん、何か絶対あると思って待ちます、わたくし。


この他にも去年の「平安神宮LIVE 〜平安結祈」、6月12日に発売予定の「shamanippon〜ラカチノトヒ」DVDからの映像もちらりと流れ、おまけに「新堂本兄弟」の剛マンブラザーズの映像も。なんだかいろんなものがこれでもかとてんこ盛りだった今夜の「僕らの音楽」。これもまた永久保存版となりました。
きくちさん、ありがとう。