THE MUSIC DAY 「薔薇と太陽」


ささ、「薔薇と太陽」です。こんばんは。まだ若干腰抜けてますけど。


今夜のTHE MUSIC DAYで初披露されたKinKi Kidsの7月20日発売の新曲「薔薇と太陽」ですが(わざわざ言うのは、なぜか番組内ではそこに全く触れられなくて残念だったので)、もう猿リピです。
イエモンの吉井さんのなんともキャッチーで歌謡曲臭の強いこの楽曲、ラジオでの初聴きの印象もめちゃくちゃ良かったのですが、2016年現在のキンキのヴィジュアルがくっついたらもう怖いモノなし。夏祭りのゆるーい空気を一瞬で変えるとんでもない破壊力で、KinKi Kidsはステージの上に陽炎揺れる灼熱の大地を描き出したのであります。


その素晴らしさを予感させたのは、昨日のこーいちくんのSMGO。ほぼ年イチ更新の彼がわざわざこのタイミングで更新、今剛さんの膝の調子が「ヤバい」ので今回は踊らずギターを担当するということ、そしてダンスはこーいちくんのあの超絶かっこいい「INTERACTIONAL」の振付けを担当したYOSHIEさんであることなど語ってくれ、そこには明らかに自信に溢れた笑みを浮かべる彼がいた。
剛さんの膝は心配だったし、その不安からなのか、ここんとこちょいとLOW加減な剛さんの伏し目がちな様子が気になっていたのだけど、今日のステージはKinKi Kidsの新しい時代の幕開けを感じさせる素晴らしいものだった。


下手にギターを持った剛さん、バックにバンドを従えている。上手のこーいちくんは女性ダンサー4人を率い、それは見た目にもまんま現在のKinKi Kidsの姿。バンドvsミュージカル、そしてYOSHIEさんの振付けがそこに熱く乾いた大地に繰り広げられる闘牛vsマタドールの闘いのイメージをダブらせる。
ステージを真っ二つに分ける、オス同士のプライドをかけた闘い。それを彩る彼らのむせかえるような色香と、どこまでも美しく時に激しく溶け合うユニゾン。
参りましたと言うしかないでしょ。ソッコー土下座でしょ。つか腰抜けてんだけど。


KinKi Kidsってなんて面白いんだろうと今更ながら思った。
Twitterで拾った2002年のインタビュー記事にこんな会話があった。かいつまんで書き抜くとこんなかんじ。


剛「光一がダンスでオレがギター。これからはそういうキンキの見せ方も悪くないと思う。ダンスはおまえにかなわんやろ」
光「そんなことはないよ。剛には剛の見せ方がある。そういうことが、いい意味でキンキのバランスを保ってるんだと思うよ。曲によってはオレがギターで剛がダンスみたいなこともやってみたいね」


この頃の彼らに2016年のこの自分たちの姿を見せたらさぞ喜ぶことだろうと思う。コツコツと極めてきた世界があったからこそ、こうしてひとりが膝を傷めて踊れないという窮地も、彼らはこんな風に、むしろそれを逆手に取って華麗に乗り越えて見せる。剛さんの伏し目がちにゴールドのレスポールを抱く姿も、その世界になんとも優美な哀愁を与えたりする。とにかくいろんな引き出しがあって、逆境に強いんである。転んでもタダじゃ起きない。今度はどんな目をして起きてくるのか、それすらも楽しみになる。


しかし、今回のステージはとても広く、ちょっと二人の立ち位置が遠くてツーショットがめっちゃ引きだったのが残念と言えば残念。少し遠近とりまぜて、時にスペインの狭い地下のタブラオでフラメンコを見るような濃厚な「寄り」もあって欲しいと思ったりするのだった。これだけのものを見せていただいて贅沢は申しませんが。ええ。


それにしても、このCDについてくるMVと「闘牛剛と光一マタドールのシュールなトーク」映像のギャップがどんだけの破壊力を携えておるのか、もう考えただけで楽しみでなりませぬ。