「薔薇と太陽」本日発売!!


昨日無事フラゲもさせていただき、ますます高まる毎日ですが、皆様いかがお過ごしでしょう。


「薔薇と太陽」、シャルドネが沸騰しています。わたしの中で。
THE MUSIC DAY以降、もうあちこちで披露されているのですが、飽きることがもはや不可能。
ある世代以上の人には聞いた途端に「あっこれ”悲しき願い”やん」「サンタエスメラルダやん」となる、なんとも昭和ラテン歌謡へのオマージュたっぷりのイントロですでに動悸が。吉井さん、あなた天才です。みんな知ってたと思うけど。


と、ここで白状しないといけないのは、わたくしこれまでTHE YELLOW MONKEY及び吉井和哉氏の音楽というものを全く聴いたことがなかったということ。通常はわりと雑食な人間なのに、こと音楽に関しては一旦何かに凝りだすとそれしか聴かなくなるという癖があって(今もそう)、イエモンだけでなく90〜00年代のJ-POPはほぼ丸っと(KinKi Kidsすら)知らず&聴かず生きていたのだ。
そこで、今更ながらyoutube様におすがりし、吉井氏の楽曲を片っ端から聴いてみたところ、「すっごく好き!」なタイプであることが判明。 なんとも言えない昭和の歌謡曲と、彼が影響されたというグラムロックを初めとする英国産ロック&ポップスの臭いがムンムンしていて、そのどちらも同じく大好きなわたしのツボを直撃するものだった。


昔イエモンが「LOVE LOVEあいしてる」に出演した時に歌った沢田研二の「追憶」も絶品だった。古きよきニッポンの歌手が持っていた種の「歌心」のある人。以前、秋元さんがKinKi Kidsに「破滅的Passion」という曲を書いた時に贈った「J-POPがいつしか一人称で自分のことを歌うようになって<虚構の世界>(=歌謡曲の世界) を歌える人がいなくなってきた。だけどKinKiにはそれができる」という言葉が、この吉井和哉という人にもまたぴったりだと思った。
その吉井氏がKinKi Kidsへ書いた曲が面白くないはずがない。


そして興味深かったのが、吉井さんファンからもたらされた吉井和哉=エロという構図。実を言うと、なかなか機能のいいエロ探知機持ちなわたくしが、言われるまでそれに全く気づかなかった。
そう言われて歌詞を眺めれば、確かに「薔薇と太陽」には様々なエロ方面の暗喩が散りばめられている。が、同時にそこにはKinKi Kidsの暗喩とも言うべき「少年」「硝子」「永遠」などの単語と、「ふたつに割れた愛の欠片」「愛され愛されたら」「生まれ変わり」というような、ふたりの関係性をイメージさせるアナザーストーリーがしっかりと編み込まれており、わたしはそちらの方にすっかり心を奪われてしまっていたのだ。ひと粒で二度おいしい。吉井和哉おそるべし。


多分彼らに曲を書くというのでいろいろと下調べをされたのだと思うけれど、あの情熱的なメロディーに乗せて、サブリミナル的に刷り込まれていくエロとアナザーストーリー。そのメロディーもまた何度も同じフレーズが繰り返されながら、少しずつテンションが上がり、最後に転調、フィナーレに向かってイッキに高まってゆく、ちょっとした「ボレロ」風法悦の世界のようでもある。そこにもってきて、本人たちが「吉井さんの世界に近づこう」なんて頑張って男の色香をダダ漏れさせたもんだから、結果的に「これぞKinKi Kidsの真骨頂なり!(どや)」的なハンパないインパクトの楽曲に仕上がり、わたしたちはただサルのようにリピートボタンを押し続けるしかない日々を送ることになった。


どこかのインタビューでこーいちくん曰く「最近ちょっと守りに入ってた」というシングル曲が続いていたので、正直もどかしさを感じていたファンも 多かったんだろう。それがネットや店頭でCDが売切れ続出というこの盛り上がりに繋がったのだと思う。彼らより長く生きてる人間からしたら、今しか歌えない歌って他にあるんじゃないか、とも思えたし、林檎風に言えば「一寸男盛りを如何しやう」な状況に渡りの船の吉井和哉。年齢相応の大人のKinKi Kidsの魅力を余すところなく引き出してくれた現役バリバリ49歳なのである。


しかも今回のシングルは堂島”どんちゃん”孝平氏が共同プロデューサーとして参加しているのだという。近年「キラメキニシス」「SPEAK LOW」の名曲の提供で改めて神と呼ばれるどんちゃんとKinKi Kidsの相性の良さは誰もが認めるところ。もしかしたらシングルだけじゃなくてアルバムの方も・・なんて思うとNアルにもますます期待がふくらもうというもの。


それにしても「薔薇と太陽」世界、古い映画のワンシーンのようで、わかりやすいようでわかりにくく、みんないろんなストーリーを描き放題なんだろうから面白い。
Barで一目で恋に落ち、一夜を共にした男と女。「生まれ変わったらまたどこかで会おう」と捨て台詞を残して朝日の中旅立つ男的な、昭和歌謡にありがちなワンナイトラブなお話ではなかろーかとわたしは思うのだけど、いかがなもんでしょうか。


さ、「薔薇と太陽」の発売を祝いシャルドネで乾杯。そして明日はまた19th Anniversaryで乾杯とまさに「酒とバラの日々」(©吉井和哉)なのであります。