堂本剛とそのマグマ


片付けが苦手だ。
めんどくさがりなので「使ったら元にすぐ戻す」ができない。そういう人の常で、できれば何でも半径1m以内に置いて動かずに生活がしたいくらいに思うので、気がつくと自分の机やソファの周りに本や雑誌、CD、DVDなどの城壁ができる。最初は何がどこにあるかわかっているが、早晩カオスとなり、行方不明になるモノが増えて不便でしゃあないので、やっとそこでしぶしぶ撤収作業となる。


大昔のKinKiの動画で、剛が「僕の部屋は汚いけど、コーイチのはきれい」と言っていて、「ふーん、やっぱりね。仲間仲間♪」と思ったことがあったんだけど、先々週のF&MBで剛が、「何がどこにあるかわからないとムダが多いから、モノをいつでも同じところに置くようにしてるし、家をきれいにしておくことにこだわっている。おかんが勝手に置き場所を変えたりするとムカつく」ってなこと言ってたのよね。


しかもここ数年、剛ばかりかコーイチくんまで「だんだん潔癖症がひどくなってきた」と、ホテルのトイレのフタが素手で触れない、便座にはペーパーを敷く、吊革NG、ソファの肘掛NGとか言うのを聞くに及んではやや心配になる。
最近はそういう人多いみたいね。なんだかなあ。
ワタシなんて日本にいるとどこもかしこも清潔で涙が出そうになるけど。


こういうのは強迫性神経症の一症状で、他にもいろんな症状があるけど、どれもストレスが原因で悪化する傾向にあるらしい。
潔癖症もそのひとつだし、モノを秩序だって順序良く並べたり、本人にとってきちんとした位置に収めないと気が済まない、なんていう症状は「不完全恐怖症」と呼ばれ、デビッド・ベッカムがそうだっていうんで以前話題になったことがあったよね。
タイプ的には「自ら変わることを拒否」、「頑なに変わらないための努力をする」理想主義、完璧主義の人に起きやすい症状なのだそうで。
・・あイタタタ・・・。


剛みたいに白黒はっきりしたいタイプはとかく人とぶつかるし、もう少し我を引っ込めてユルくいけるといいのにね。
身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。って言うじゃない。


2年前の音楽雑誌のインタビューで「僕は腹をくくりました」とか言ってたけど、決意はしても生来の気質はそう簡単に変えられるわけないし、このまま彼の家がきれいになっていくのは、もしかしてヤバさのバロメーター。
最近は静かに暮らしてるから、朝起きたらお香をたいて花を生けたりする、なんて話もしてたけど、その花を愛でる半眼の奥底のほーにふつふつと煮えたぎるマグマを抱えてたりすると思うと、それもなかなかにホラーな図ではある。


皆忘れがちだけど、あの雅なたたずまいの富士とて休火山。次に大爆発が起きたときには、溜めこまれたマグマで5合目から上は全部フッ飛ぶそうである。