KinKi Kids Mステ「Anniversary」


待ちに待ったMステ!
朝から挙動不審なほどウッキッキー♪、犬の散歩も済ませ、お昼ごはんも作って、こちらの時間で正午に始まるMステを待つ。当然リアルタイムでは観られないのでTwitterのTLとハッシュタグを開いて、「音漏れ」を息を潜めじっと待つ、ハンターなわたくし。
そして流れてきた、久しぶりのふたりの歌声に狂喜乱舞するKinKiクラスタのTweetを追いつつ、親切な方々のUPしてくれるTV画面写メなどを眺める。と。。「ん?」なんだかふたりの表情が暗い。


そして今やっと某所で時間差Mステをガン観しつつ書いてるわけですが、やっぱりふたりの顔は暗い。MCでタモさんと事務所に入った頃の話などしている時は少し明るい表情が見られたものの、剛っさんもコーイチくんもなかなかいつもの笑みがこぼれない。伏せた目に憂いが漂う。心がどこか遠くを見つめている。


ピアノとストリングスだけのしっとりとしたアレンジの「Anniversary」のSpecial version。
「この空で 数え切れない星が 生まれては 人知れず消えてゆくよ」
「キミがいるだけで ありふれた日々が 鮮やかに彩られ 愛が満ちてゆくよ この気持ちだけは 忘れたくないから 何気ない今日と云う日が ボクらの記念日」
これまでに幾度も幾度も歌われたこの愛の曲に、今日はいつもと違うニュアンスがこもっていたようだった。まばゆく輝く星影のような蒼いライトが、押し殺しても滲み出すふたりの哀しみのように見えた。美しいふたりのハーモニーも、今宵は一段と深く切なく響いてくる。
やっぱり、森さんの死はふたりにとって大きなショックだったんだな、と思った。


「Anniversary」とは、もちろん「記念日」のことだが、英語では「命日」も同じ「Anniversary」という言葉を使う。今夜の歌は、森さんに捧げられたのではないかな。そういえば、今日は初七日なのだ。
特にコーイチくんにとって森さんは、同じ舞台人として大きな影響を与えてくれた人であり、そして帝劇に毎日お弁当を届けてくれた人でもあった。
昔、まだ彼がフライングを始めたばかりの頃、公演中ラダーから足が外れて両手だけの宙吊りになってしまったことがあった。その時、息を呑み、悲鳴を漏らす観客の中で、森さんはじっとその姿を凝視し、彼が無事そのパートを終えた時、誰よりも大きな拍手を贈っていたそうだ。厳しい大先輩であり、同時に母のようであった人。


奇しくもその森さんの亡くなった直後に「Anniversary」を歌うというチャンスを得たのは、ふたりにとって感慨深い偶然であったという気がする。KinKi Kidsとしての過ぎた日々を振り返り、縁を結った方々を想い、そしてこれからまたふたりで歩んでゆく未来を見据える「今日という記念日」。

今はまだ哀しみの底にあっても、すぐにまたふたりが力強く歌える日が来るよね。大体あんな顔で歌うのを森さんが見たら「メソメソしないでしゃきっとしなさいよッ」なんて怒ったかもしれないな、と思う。


今夜は過去映像に映る剛っさんを見て破顔するコーイチくんに唯一ほっこり。
ただ、こうして15周年企画をしてくださったことは有難いのだけど、ちょいとテレ朝さんに文句言わせていただくと、ここで「シングル売り上げベスト10」ってどうよ?KinKi Kidsに限らずこのCDの売れない時代とあの頃をいっしょくたにしたら、なんだか「過去の栄光」っぽいお話になってしまうではないの。本人たちも応援しているファンもなんだかビミョーな気分になる企画だったのではないかしらん。もちろん、大きなヒットが欲しいことは確かだけれどね。。


Mステを観ていた他のアーティストのファンの方のTweetには、「KinKi KidsってまだCD出してるんだ?」というものもあった。年に一度のシングルだけでは、歌番組しか観ていない一般の方にそう言われても仕方がない。どうしてもジャニーズ=バラエティーなイメージを持たれてしまう中、「歌で勝負のKinKi Kids」をもう少しフューチャーしてもらうことはそんなに難しいことなんだろうか。ねえ、JEさん。


ふたりの見事なハモりが心震わす「Anniversary」を聴きながら、忙しくいろんなことを思ったMステでありました。