「むくのはね」


今夜の新堂本兄弟で、玉置浩二さんがKinKi Kidsのために作った曲のお披露目があった。丁度1年前に出演された時に番組内で即興で作ったものを完成して、
「KinKi Kidsのために書き下ろした曲」として持ってきてくださったのだ。


「むくのはね」。無垢の羽根。タイトルのとおり、なんとも切なく優しいラヴソング。
♪ いつでも君の隣で 何年も何十年も 優しい気持ちのまま見つめているよ ♪
という歌詞は、玉置さんが「もう君たちも大人だからさ!」と言っていたように、どこか「ボクの背中には羽根がある」の「君とボク」の未来のようだ。あの曲をもらった時「KinKi Kidsが少し大人になった気がした」とふたりは言う。その「愛」というものになんとなく手が届いたような初々しい喜びと比べると、この「むくのはね」はもっと確かで静かな「愛」の眼差しが感じられる。


そのまごうことない「玉置節」は、どこかで聴いたことのあるような懐かしさを感じさせる。私は彼の活動は「安全地帯」しか知らないのだけど、あの頃の曲の印象に近いのかもしれない。いわゆる「歌謡バラード」のようなもの。


前々からことあるごとに書いているのだけど、やっぱりKinKi Kidsには歌謡曲が似合う。しかも70年代から80年代にかけての、ニューミュージックと呼ばれた、和製ハイブリッド音楽の世界。洋楽(にインスパイアされた音楽)と伝統的なニッポンの歌謡曲という流れの融合したところにあったそのシーンを牽引していたのは拓郎さんや達郎さん。その拓郎さんがインタビューで曰く「僕の根っこにあるのは歌謡曲。日本の歌手が外国曲のコピーとかやってた頃の音」。
それが毎日TVやラジオから流れてくる時代に育った彼らの作る曲に反映したのは想像に難くない。そして一世代後の玉置さんが、彼ら音楽の影響をまた受け、と「ニッポンの音」というのは今も脈々と受け継がれている。哀愁があって切なくて、なにかどうにも日本人の心を揺さぶる、もうほとんどDNAが反応してしまう「音」というものがこの世には存在し、KinKi Kidsはそれを歌うための「声」を持っているという気がする。


玉置さんがアコギで爪弾く「むくのはね」を聴く剛っさんとコーイチくんの嬉しそうな顔!「何らかの形に絶対します」と約束した剛っさんの言葉を信じ、いつかまたこの曲が、今度はKinKi Kidsによって歌われる日が来るのを待ちたいと思う。


今夜番組内でFNS音楽祭の出演者が一部発表され、玉置さんそしてKinKi Kidsも出演することが明らかになった。となると、この収録のあと、KinKi Kids VS JEの話し合いがどう転んでも、FNSでのコラボくらいは期待できそうなところ(きくちPもそれは絶対実現したいはず)。でも、本当はなにがなんでもこの曲をシングルによろしくお願いしたいですJEさんっ。そして、LOVE&LIFEの「Lアルバム」にも収録。いやもう話は早く希望は高く。


脳裏にはもうKinKi Kidsの歌う「むくのはね」がエンドレスで流れております。玉置さん、ありがとう。