「SPEAK LOW」@Mステ


Mステの「SPEAK LOW」、絶品でございました。
わたしは褒め言葉のボキャブラリーが異常に貧困なので、こういう問答無用でかっこいいものを見た時は「かっけーーー!」と一声叫んだあと、わなわなあうあうするだけでそれ以上の言葉が出ないのが残念すぎて泣けてくる。


バックを務めた堂島孝平くん率いるバンドの、小松シゲル(Dr)隅倉弘至(B)松井泉(Per)sugarbeans(Key)という渋い布陣は、この曲のレコーディングメンバーだそう。
初めて聴く(多分)フルヴァージョンは、ジャズファンクっぽいアレンジ。ポケットに手を突っ込んで体を揺らす剛さんが「古い日記」のカヴァーを思い起こさせた。ふたりはデザイン違いの鈍く光るスーツに黒いシャツ。薄暗いBARの片隅で強いお酒をチビチビしながら聴くLIVEのようなアダルトなムード。


先日の「鍵のない箱」@どぅんつくぱでも書いたけれど、今回彼らが「歌う」曲で勝負してきたのがとにかく嬉しい。狂おしく切ない恋の歌は彼らにとてもよく似合う。その熱い想いの陽炎の向こうにゆらりと現れる生身の男(35)。 普段、仙人だの乾燥肌だの枯れたようなことを言っておられるが、そんな「自称」を鵜呑みにしてはいけない。あの美しく雅な富士とて休火山。その地下にはふつふつとたぎるマグマを抱えているのである。いわんやKinKi Kidsをや。


もともと「SPEAK LOW」と言えば、古いジャズヴォーカルのスタンダードナンバー。
Speak low
When you speak, love
「愛を語る時は優しく囁いて、あなた・・」という甘い出だしの曲ながら、「時はあまりに速く過ぎ 恋は儚い 恋は純金 時は盗人」と、この幸せもすぐに消え去ってしまうかもしれない、「だから今すぐ愛を囁いて、あなた」と続く。これもまた「あまりに愛が大きすぎると失うことを思ってしまうの」な世界で、とても切なくドラマティックな曲調はKinKi Kidsの世界に通じるものがある。世界中のいろんな方がカヴァーしているのでyoutube辺りで是非どうぞ。


それにしても、曲を提供してくれた堂島くんのKinKi Kidsプロデュース力にも平伏する。彼が彼自身に描くのとはまた全く違った「KinKi Kidsの世界」を作り上げてくれている。それにこの曲には「カナシミブルー」を彷彿とさせるフレーズがいくつかあったりして、もしかしたらこのM albumの「Moments」の曲にはタイトルだけでなく歌詞にもそっとMemoriesの影が差すような、小さな仕掛けがしてあるのかもしれない。それをコツコツ探すのもまた楽しそう。


KinKi Kids、いつにない怒涛の進撃で後輩くんたちの番組にもちょこちょこ出演が決まったようですが、歌がじっくり聴けるのは7日のLIVE MONSTERかな。「硝子の少年」「ボクの背中には羽根がある」「Secret Code」「SPEAK LOW」の4曲が聴けるそう。

「堂本兄弟」2015年新春復活SP!


「堂本兄弟」がお正月にSPとして復活する。早っ。いや、もちろん心の底から嬉しいけれども、狐につままれたような気がするのも確か。多分12月9日にされる収録の様子などがぽつぽつと聞こえてきて、じわじわと実感が湧くんだろうな。


この番組の終了は、フジTVの人事やきくちさんの処遇、口パク騒動、ひいては音楽番組の未来が語られるなどの余波も含め、多分「上層部」が想像するより反響が大きかったんだろうと思う。が、やはり一番大きかったのは、三浦プロデューサーも言っているとおり、終了に「全然納得行ってない」ファンの復活を切望する声だったのに違いない。


Twitterのつぶやき数が視聴率にカウントされるとなった途端、放送時にはいつもより大分多い数のつぶやき、RTが流れ、今でも話題にする方は多い。
私は140字にまとめるのが苦手だし、当然ながらリアルタイム視聴はできないので、もっぱら局の公式HPの「ご意見・ご要望」へ冷静を心掛けたものをじっくりしたためることにしている。ついでに、番組の完全復活もしくはKinKi Kidsによる新しい音楽番組を、という「ご要望」も忘れずに。
とにかく彼らにまた音楽を鳴らす場を持って欲しい。「ブンブブーン」を心から楽しみながらも、皆想いは同じなのだ。


              ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  


この秋、惜しまれつつも終了したフジテレビ系のKinKi Kidsの冠番組「新堂本兄弟」がスペシャル放送として復活する。
最終回より3カ月となる2015年新春に、「堂本兄弟2015新春かえってきましたSP(仮)」(2015年1月4日よる11時30分〜)として復活することが決定した。KinKi Kidsの2人に加え、高見沢俊彦(THE ALFEE)、高橋みなみ(AKB48)、槇原敬之、西川貴教、DAIGOといった「新堂本兄弟」おなじみのメンバーが再集結する。


◆番組の見どころ
「新堂本兄弟」は、ゲストを迎えてのトークや、KinKi Kidsと一流ミュージシャンたちの生演奏が見どころ。今回のスペシャルでは、レギュラーメンバーがゲストを交えて鍋を囲んだり、新春ということで断捨離に挑んだりする企画を予定している。また、生演奏によるライブも健在。レギュラーメンバーの代表曲の中から、「冬」というテーマで選曲された珠玉のポップソングの数々を、KinKi Kidsと堂本ブラザーズバンドの特別演奏で披露する予定だ。


◆KinKi Kidsコメント
堂本光一「ラストライブの時に、『機会があれば、またぜひ何かやりたいね』と話をしていたので、それが形になってうれしいです。ほとんどのメンバーがそのとき以来の再会なのでどんな展開になるかとても楽しみです」

堂本剛「高見沢さん、西川さんと『また集まれる機会があったら会いたいね』なんてメールしあった直後に、このスペシャルのことをお聞きし、こんなに早く復活のお話をいただけると思っていなかったので、まずは素直にうれしいなと思いましたし、驚きもありました。みんなでまた集まるうれしさももちろんですが、ファンの皆様も喜んでいただけると思うので、それが何より一番だと思っています」


◆反響を受け、復活が決定
また、番組プロデューサーの三浦淳氏(フジテレビバラエティ制作センター)は、「ラストライブの打ち上げの席で、KinKi Kidsと堂本ブラザーズバンドのメンバーと約束した“復活のステージ”が、こんなにも早く実現し、非常にうれしく思っています」とコメント。「異例の出来事のような気もしますが、この復活SPが実現できたのは、ひとえに番組終了後に寄せられたファンの皆様、視聴者の皆様からの熱いリクエストに尽きると思います。その思いに応えるためにも、まずはこのSPを成功させ、今後もKinKi Kidsと愉快な仲間たちが定期的に集まって楽しいセッションができる機会をなるべく多く提供できるよう頑張りたいと思います」と意気込んだ。
(スポーツ報知より)

FUNKYなPANTIES届きました


(って言ってもウチには音だけですが)
今日は例の「CD付きPANTIES」の配達日でありました。
不在票には配達のお兄さんの字で「PANTIESがだしたいんだどしても様」よりのお届け物としっかり書き込まれ、配送センターに再配達を依頼するにも、その名を伝えねばならぬ羞恥プレイが日本のあちこちでなされた模様。そして、無事に荷をほどいた方々のそれを頭にかぶる姿がTwitterのTLに。なぜにヒトはぱんつを見ると頭にかぶりたくなるんだろうねお母さん。


おまけのCD収録曲は4曲。
1.FUNKがしたいんだどしても 
2.HEIAN FUNK
3.恋にも愛にも染まるような赤
4.FUNKY PANTIES 


どれもコテコテにFUNKYなダンスチューン。
♬ひとびとが機会を愛する現代(いま)を悩め♬さぁ Let's 古(いにしえ)groovin' FUNKな一手間♬新しいわざわざを生きていたい♬
と歌う「FUNKがしたいんだどしても」。この夏、「FUNK詩謡夏私乱」で皆で踊った陽性なshamanipponのFUNK。「Ginger」同じく、カラフルで甘く飲みやすいけどアルコール度数高いカクテルみたいに、口に含むと舌にピリリとくるメッセージが溶かし込んである。


「恋にも愛にも染まるような赤」。タイトルからなんとなくおセンチな「雨恋」や「赤いSinger」的なものを想像してしていたのだけど、さにあらず。
♬一目で惚れたきみとぼくのグルーヴ♬恋にも愛にも染まるような赤を♬生きたいだけ生こうそして昇ろう♬
と、超FUNKYなポジティヴで狂おしいラヴソング。少し抑えた声がまたセクシー。


そして、「FUNKY PANTIES」のけだるいグルーヴ。「男女の愛の営みの最中に脱ぎ捨てられ、ベッドや床に丸くなって落ちているパンティーに敬意を払った歌」と剛さんが言っていたこともあり、ちょけてくるかと思いきやなんと直球で来た。
♬燻ゆる愛を火照るだけ火照らせて♬香る指を遊び戸惑いながら声をつれづれと綴る♬
とか、密室に雅なエロ充満。


もう1曲の「HEIAN FUNK」、ふと思い浮かんだのは「アメノウズメノミコト」。
アマテラスが天岩戸にお隠れになり、世界が闇に包まれた。アメノウズメノミコトが岩戸の前で踊ってそこにいた神々を笑わせ、なにごとかと戸を開けたアマテラスを表に出すことに成功。世界に再び光が戻った、という神話。
「踊ろう」「生きよう」と剛さんは言う。
♬哀しい日々も美しい日々もどっちもどっちだよ生きてることに変わりゃせん♬
思い悩んで閉じていないで、その悩みも全て舞って踊って歌ってしまおう、その先にある光を信じて。
この「HEY!」「AN!」というC&Rはそのための言挙げだろう。「平らで安らか」な平安な世を目指して皆で歌う「HEIAN FUNK」。


先の「愛の営み云々」のコメントの時も思ったけど、ここのところの剛さんてば、ひとつステージを上げたってゆーか、突然躁期に入りましたか的な何か急激に吹っ切れたものを感じさせる。怖いほどに突然のトップギア。振り幅が常人より広いから、ちゃんとつかまっていないと振り落とされてしまう勢いをLIVEでも感じた。
これまでどこかしらに漂っていた儚さが今回は息を潜め、美しく強く高く高く天へと言の葉が捧げられているようだ。彼の語るように言葉を連ねる歌唱はまんま祝詞であり、どの曲にもそれぞれの今を生きる喜びとエネルギーに溢れている。


音的な充実も凄まじく、異常なほどのクオリティー。全編を通して聴けるSWING-Oさんのアレンジの緻密でクールなこと!
これが(まあいろんな事情があったのであろーが)予約限定販売だったのはまったくもって勿体ないが、次のアルバムに向けてのイントロダクションとして有難く受け取っておこうと思う。ああ、楽しかった!

「鍵のない箱」@「どぅんつくぱ」


「どぅんつくぱ」で新曲のお披露目があった。


これまでは自分たちの番組でのお披露目が普通だったわけだけれど、今回は新堂本兄弟が終了後にフジTVが始めた新しい「音楽番組」という、少々因縁のある枠でということで、興味津々で観た。


HPを読むと、「音楽の妖精たちが住む世界 ミュージックフェアリーワールドを舞台にした金曜の夜という大人の時間なのに子供番組風にお送りする音楽番組」で、
「王子のココロくん、お姫様のアイナちゃんが会いたい人間界のアーティストをお招きし、子供のような心で純粋に音を楽しむ」とのこと。
ううむ。謳い文句を読んだだけだと、その昔あった「ウゴウゴルーガ」という伝説のカルト系子供番組の21世紀版なんて気もする。
最近は子供番組も大人を意識して作られていて、お母さん方のウケを狙ったイケメンが配される番組が多いとか。そんな「お兄さん」がいないらしいこの番組では、もしかしてその枠が「お母さんたちが好きそうなゲスト」で補われるのだろーか。


そのくらいのかんじで観始めたら、ううむ、これは似て全く異なるものだな。「ウゴウゴルーガ」はそのシュールで斬新なところに子供だけでなく大人が食いついたかんじだったけど、こちらは子供をフューチャーしたれっきとした大人の番組。いろんな短いコーナーがごちゃごちゃと詰まっていて、概ね面白かった(ひとつサイテー!と思ったのが「イライラのうた」。ああいうのを同調圧力と呼ぶのだな)。思わず笑っちゃうしかないほどハイテンションのココロくんと既に女の表情を見せるおしゃまなアイナちゃんとか、あの新垣さんの起用とか、あざとさギリギリの面白さだけど。


だから、「今まででやった一番恥ずかしい仕事」のところで、剛さんが冗談めかして「ふつうに大人たちは子供を使ってお金儲けをしていたんだよ」と言ったのは、こういう風に子供を使う大人への皮肉だったのかなとも思った。子役をやってた剛さんだから、この後のこの子たちの未来をちょっと想ってしまったのかもしれない。


「かわええ♡」と、子供たちにすっかり骨抜きにされて目が♡型の光一くんと、面白がってうくうく笑いが止まらない剛さんが、実は子供よりよっぽど可愛いかったのは確かながら、絵面は完全に幼稚園の父親参観日。こうして子供相手に油断してついポロリと素が出るゲストの姿を愛でるのが、この番組の隠れた愉しみ方でもあるんだろう。どうもごちそうさまでした。


いや、まだここで箸を置いてはイカン。
本題の新曲披露、これがとてもよかった。ガラス張りの箱詰めになって広い宇宙にふたりぽっち的なセットもよかったし、この曲では踊らなかったのもよかったな。
剛さんが時々光一くんにほとんど背を向けるように歌っているあのかんじが、私の中でものすごくKinKi Kids。なんだか「背を向け合う」っていうのが彼らの場合、お互いに背後にあるものを守ろうとする体勢に見えて。彼らを取り巻く暗い宇宙からどんな魔の手が伸びようと、お互いに守るものはただひとり。
なんてな。痛いですか、そうですか。


と、箸を置こうとしたら、26日のベストアーティストに出演決定とのニュースが。でもこの日は剛さんが小喜利なのよね。19時からの生放送にはちょいと間に合わないと思われ。もしかすると録画かな。それでもいいです。おいしくいただきます。

「鍵のない箱」 カップリングにシビレまくるの巻


KinKi Kidsの34枚目のシングル「鍵のない箱」が発売になった。


『「鍵のない箱」はどういう状態なのか』というのをこないだふたりが話題にしていたけど、歌詞を読んだ印象は、鍵=君で、今君がいなくなって心を閉ざしてしまった僕=鍵がなくて開かない箱、というかんじ?


前作「まだ涙にならない悲しみが」と同じく松井五郎さんの詞。ふたりの言葉を借りれば、「明るさの中にちょっと切なさの漂うKinKi Kidsの王道を行く」曲。安定の設定=失恋の物語ながら、華やかな打ち込み系のアップテンポな曲なので詞の救われなさがあまり気にならない(笑)。
ただ欲を言わせていただけたら、もうちょっと詞にもメロディーにもクリアなイメージをくれるフレーズがあるといいなあ、と思った。確かに歌詞は曖昧な方が聴き手は自分の好きなようにイメージを膨らませることができるけれど、ここでは一人語りの繊細な歌詞が流れるような曲とアレンジに呑まれてしまっていて、その心地よさに気がつく頃曲が終わっているような、淡く美しい夢の断片のような印象。いや、それもまたKinKi Kidsの声が乗れば目覚めの心地よさも最上級なのだけど。剛さんがよく言っている、「サウンドが前面に出てヴォーカルが目立たない」そういうBGM的な心地良さが今のJ-POP「っぽさ」なんだろうか。


なんてことをちょっと考えてしまったのは、今回カップリングにやけに濃く面白い曲が揃っていたからの急性贅沢病なのである。


初回盤B収録の「キラメキニシス」。堂島くんは正統派ニッポンの歌謡曲のスピリットを継承していく人だなーとしみじみ。LIVEでやったら映えそうな、キッチュでキャッチーなメロディー+CHOKKAKUさんのアレンジになんかもう全身のツボを押さえられているような気持ちよさ。
それは、私がキンキを好きになったのは、彼らの声がまさにこういう歌謡曲を歌うためにあるような声だったのを思い出させてくれる。ストイックなイメージの彼らの声の翳や憂いの中に潜む、大衆性・通俗性と言い換えてもいいエロス。伴奏が生ギター一本であろうとフルオーケストラであろうとズンドコ打ち込みであろうと、こういうニッポンのメロディーに乗せた時のKinKi Kidsの無敵さたるや。ぐいぐいとその世界に引きずり込まれるこの感覚、いやはやもう悶絶です。


通常盤に収録の「No More Tears」。ちょっと懐かしさも漂うエレポップ色全開のサウンドに、少しヴォコーダーがかかっているふたりの声が弾んで音の滴の万華鏡をのぞいているような心地よさ。
そしてこれまた悶絶の「blue new moon」。その歌詞のKinKi Kidsなふたりぽっちの世界観、サビのあざといまでの歌謡曲的キャッチーさ、宇宙までぶっ飛ばされてしまいそうな壮大なスペースファンタジーなアレンジ!その硬質なエレクトリックビートの上を光の粒子のように走る剛さんのハイトーンに脳味噌がシビレてくる。


これまでKinKi Kidsのシングルというと、メインとカップリングが全然違うタイプの曲で、カップリング=地味なスルメ曲というイメージがあったけれど、今回は逆というかんじ。カップリングの方がインパクトが強く、ド派手でキラキラした宇宙的なグルーヴに貫かれている。しかも低音のビートが腰に来るような攻撃的なアレンジであっても、とてつもなく歌謡曲的。これなんだこれこれ。J-POPなんて名前を変えてアメリカンポップスを真似ても、世界じゅうのどこの音とも違う、ユニークなニッポンの音楽。


クレジットを見ると、作家さんやアレンジャーさんにはM albumにも参加している方もいて、アルバムは随分とカラフルで楽しいものになりそうな予感。
ふんわりと柔らかなハートウォーミングでエバーグリーンな世界(笑)も確かにKinKi Kidsには似合うのだけど、そこに留まらず時に大胆に未知の宇宙へ私たちを拉致って欲しい。


ああ、KinKi Kidsからこんな攻めを受けようとは夢にも思わなかった。このテイストでまるっと1枚アルバムが欲しくて死にそうだ。

KinKi Kids「M album」12月10日発売!


来た来た来たーーーっ、「M album」!
Lコン観てしみじみとまた要望の声が高まっていた「セルフカバー」を収録。しかも、初回盤付属のDVDには「どヤ収録現場」と「愛のかたまりの MV」が収録されるという、ファンの声をそのまま拾い上げたかのような、まさかの展開がこれでもかと詰め込まれている2枚組。
最近ジャニーズ事務所も Twitter等から随分声を拾ってるらしいが、これまでの待遇が待遇だっただけに「なんか罠なんじゃないか」とか「あまりに愛が大きすぎると失うことを思ってしまう」疑心暗鬼な人々で溢れ返るKinKi Kids周辺なのである。


「M album」の「M」は「Memories(記憶) & Moments(瞬間)」。
セルフカバーと言えば剛さんの「カバ」が一足お先に出たわけだが、あの単なる焼き直しに終わらない面白さを今度はキンキで味わえるシアワセ。
しかも新しい曲ばかりという「Moments」も、そのタイトルがこれまでの曲のタイトルやフレーズをもじっているようで、何かひと仕掛けありそうなのだ。
「Be with me→Stay with me」「エゴイスティック・ロマンス→ジェットコースター・ロマンス」「aeon(ラテン語でとほうもなく長い時間・永劫)→永遠に」「もう君だけは離さない→もう君以外愛せない」「EXIT→愛されるより愛したい(は光一くんが最初「EXIT」というタイトルを考えたのだとか)」etc.. 。


LアルDVDの余韻も冷めやらぬうちに、またガッツリ隅から隅まで「ふたりだけの世界」。でもそれは、L albumが一般的な「LOVE」を歌っているのに対し、M albumはふたりがKinKi Kidsへの永劫の「LOVE」を歌っているかんじがする。過去も現在もそして未来も、ずっとねずぅーーとねぇ♡この年末年始は久しぶりに手をつないでの「We are KinKi Ki---ds!」が蘇るんじゃないかと思えるくらいの、彼らの熱い想いを感じてしまった。


        ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


通算14枚目のオリジナルア ルバムとなる今作は「Memories(記憶) & Moments(瞬間)」をテーマに、進化するKinKi Kidsを表現した2枚組作品。「side Moments」と題したDISC 1は、公式オンラインショップのみで通販されたシングル「Glorious Days 〜ただ道を探してる」と新曲群で構成され、「side Memories」と題したDISC 2は「せつない恋に気づいて」「雨のMelody」「もう君以外愛せない」など全編リアレンジによるセルフカバーとなる。


<初回限定盤>
■三方背ケース入り
■32Pブックレット


【CD】
<side Moments - DISC.1>
01:Be with me
02:我儘
03:たいむ・とらべ・らばーず
04:エゴイスティック・ロマンス
05:SPEAK LOW
06:Want You
07:僕らの未来
08:Glorious Days 〜ただ道を探してる
09:もう君だけは離さない
10:Two of Us
11:EXIT


<side Memories - DISC.2>
01:Rocks
02:せつない恋に気づいて
03:このまま手をつないで
04:雨のMelody
05:もう君以外愛せない
06:HAKKA CANDY
07:Bonnie Butterfly


【DVD】
・「愛のかたまり」Music Clip
・ラジオ「「KinKi Kids どんなもんヤ!」収録風景
・M album TV CM集


<通常盤>
■28Pブックレット
■Bonus Track 5曲収録(通常盤のみ)
・「aeon」
・「Where is」
・「Stay Together」
・「愛のかたまり」
・「恋涙」


<side Moments - DISC.1>
01:Be with me
02:我儘
03:たいむ・とらべ・らばーず
04:エゴイスティック・ロマンス
05:SPEAK LOW
06:Want You
07:aeon
08:僕らの未来
09:Glorious Days 〜ただ道を探してる
10:もう君だけは離さない
11:Two of Us
12:Where is
13:EXIT
14:Stay Together


<side Memories - DISC.2>
01:Rocks
02:せつない恋に気づいて
03:このまま手をつないで
04:雨のMelody
05:もう君以外愛せない
06:愛のかたまり
07:HAKKA CANDY
08:Bonnie Butterfly
09:恋涙

遅まきながらLコンDVDのこと


Lコンの感想も書けてないうちに「M album」が来てしまったああ!!
正直今年はアルバムなしかと思っていたのでその嬉しさに加え、「セルフカバー」という6文字にKinKi Kidsの「よっしゃ、行くで」が聞こえた気がして喜びもひとしおなのだ。


ここのところ、間髪を入れずに次々とTV誌やワイドショーに「KinKi Kids」の文字やグラビア写真が躍る。
「FUNK詩謡夏乱+PANTIESが出したいんだどしても」「平安神宮ライブ」「Endless SHOCK」「LアルDVD」「ブンブブーン」「鍵のない箱」。
ソロ仕事であっても、マスコミで紹介される時はほとんどの場合「KinKi Kidsの」が付くこともあり、もしかしたらお茶の間で「KinKi Kids」という名前を耳にすることが近年で一番多かった年なのではなかろーか。私がファンになった2010年の、少々膠着状態にあるように見えた「KinKi Kidsの現在」から比べると、彼らを巡る流れは少しずつ変わって来ているように見える。


それがやはり単なる気のせいではなかった、としみじみと思わせてくれたLコンDVDだった。
今年の元旦私自身もあそこにいたけれど、あの決して音響が良いとは言えない巨大な会場の半ケツ見席でコーフンしてあわあわ観ていたのでは全くわからなかったことが、この映像でいろいろ見えたし感じられたんである。


あれはそれゆえの「熱」だったんだろうか。
「Cool Beauty」でドッカーン!と登場した時のあの「ザ・キンキ」なかんじ。普段アンコールで使うようなアッパーな曲をいきなり何曲もしょっぱなに持ってくる。「Welcome」でふたりの小さなころの写真。アコースティックギターを持って「スピード」と「全部抱きしめて」。カメラも寄りが多くて、ふたりぽっちの歴史=「LIFE」がぎゅっと詰まったような演出と映像。
同じ方向をひたむきに見つめる眼差しがいい。KinKi Kidsには向かい合うより、この方が似合う。たとえ背を向け合っても、呼吸をするようにもうひとりを感じ、何を歌おうとユニゾンになればふたつの波長は自然とひとつになる。
「命のキセキ」のユニゾンはそれこそ奇跡のようだ。長いこと彼らの歌を聴いている高見沢さんは、彼らの声の一番美しく映える融点を知っているんだろう。


そして、このLコンでの「もう君以外愛せない」は圧巻だった。もちろん他の曲もとてもいいのだけど、今回はこの1曲に全てが集約されてしまった感がある。KinKi Kidsは歌の上手さでは定評があっても、これほど彼らを「凄い」と思わせられたことはなかったほどに。いやもうこれは「ムネアツ」なんてカタカナで書いてる場合じゃないくらいそれは胸に迫るもので、これぞKinKi Kidsの真髄と呼べる歌唱だった。


今思えば、この2013年の暮、時期的にきくちさんの身に起きつつあることは彼らの耳にもとっくに入っていたのだろうし、それが何を意味しているか彼らにわからなかったわけがない。
それを思うと、「不安」や「敵」なんていう言葉がまた違った響きを帯びて、私にはこれが「KinKi KidsがKinKi Kidsであり続ける」という彼らからの誓いのメッセージのように聞こえてきた。「僕」がKinKi Kidsで、「君」はファン。彼らはファンにこれからもずっと永遠にKinKi Kidsであることを約束してくれたのだ。(泣く)


そういう意味で、奇しくもこの「LOVE&LIFE」のLコンは、彼らがKinKi Kidsとして生きること(LIFE)と彼らの愛情(LOVE)を表現するものになったのだと思う。それが冒頭に書いた「熱」を感じる理由なんだろう。


MCも剛さんがちゃんとネタを作ってスバラシイ「餅の歌」を2曲も披露して美声を聞かせてくれて楽しかったし、このDVDはおまけのインタビューやドキュメンタリー部分、そしてメニュー部分の映像まで一切手抜かりなく仕上げられており、映像作品としても大変優れたものだと思う。これからもし新規ファン開拓のチャンスがあったら、まず絶対Lコン映像を見せてあげよう、と心に誓うわたくし。


ということで、M albumに全力で向かう前にLコンのことを少し書き残してみました。