「鍵のない箱」@「どぅんつくぱ」


「どぅんつくぱ」で新曲のお披露目があった。


これまでは自分たちの番組でのお披露目が普通だったわけだけれど、今回は新堂本兄弟が終了後にフジTVが始めた新しい「音楽番組」という、少々因縁のある枠でということで、興味津々で観た。


HPを読むと、「音楽の妖精たちが住む世界 ミュージックフェアリーワールドを舞台にした金曜の夜という大人の時間なのに子供番組風にお送りする音楽番組」で、
「王子のココロくん、お姫様のアイナちゃんが会いたい人間界のアーティストをお招きし、子供のような心で純粋に音を楽しむ」とのこと。
ううむ。謳い文句を読んだだけだと、その昔あった「ウゴウゴルーガ」という伝説のカルト系子供番組の21世紀版なんて気もする。
最近は子供番組も大人を意識して作られていて、お母さん方のウケを狙ったイケメンが配される番組が多いとか。そんな「お兄さん」がいないらしいこの番組では、もしかしてその枠が「お母さんたちが好きそうなゲスト」で補われるのだろーか。


そのくらいのかんじで観始めたら、ううむ、これは似て全く異なるものだな。「ウゴウゴルーガ」はそのシュールで斬新なところに子供だけでなく大人が食いついたかんじだったけど、こちらは子供をフューチャーしたれっきとした大人の番組。いろんな短いコーナーがごちゃごちゃと詰まっていて、概ね面白かった(ひとつサイテー!と思ったのが「イライラのうた」。ああいうのを同調圧力と呼ぶのだな)。思わず笑っちゃうしかないほどハイテンションのココロくんと既に女の表情を見せるおしゃまなアイナちゃんとか、あの新垣さんの起用とか、あざとさギリギリの面白さだけど。


だから、「今まででやった一番恥ずかしい仕事」のところで、剛さんが冗談めかして「ふつうに大人たちは子供を使ってお金儲けをしていたんだよ」と言ったのは、こういう風に子供を使う大人への皮肉だったのかなとも思った。子役をやってた剛さんだから、この後のこの子たちの未来をちょっと想ってしまったのかもしれない。


「かわええ♡」と、子供たちにすっかり骨抜きにされて目が♡型の光一くんと、面白がってうくうく笑いが止まらない剛さんが、実は子供よりよっぽど可愛いかったのは確かながら、絵面は完全に幼稚園の父親参観日。こうして子供相手に油断してついポロリと素が出るゲストの姿を愛でるのが、この番組の隠れた愉しみ方でもあるんだろう。どうもごちそうさまでした。


いや、まだここで箸を置いてはイカン。
本題の新曲披露、これがとてもよかった。ガラス張りの箱詰めになって広い宇宙にふたりぽっち的なセットもよかったし、この曲では踊らなかったのもよかったな。
剛さんが時々光一くんにほとんど背を向けるように歌っているあのかんじが、私の中でものすごくKinKi Kids。なんだか「背を向け合う」っていうのが彼らの場合、お互いに背後にあるものを守ろうとする体勢に見えて。彼らを取り巻く暗い宇宙からどんな魔の手が伸びようと、お互いに守るものはただひとり。
なんてな。痛いですか、そうですか。


と、箸を置こうとしたら、26日のベストアーティストに出演決定とのニュースが。でもこの日は剛さんが小喜利なのよね。19時からの生放送にはちょいと間に合わないと思われ。もしかすると録画かな。それでもいいです。おいしくいただきます。