「プラトニック」#4 動悸がするんだけど


ぬー。沙良という女性、なんだかすごいトラウマがありそーである。
劇中で使われた言葉を使えば、「若い少女のように可憐で残酷」。それは、打算にまみれた大人の女にはできないことをする、というある意味「純粋」で「正直=欲望に忠実」な存在であるということ。


でもその「少女」は「娘のために女は捨てた」と言いながら、自分の美しさを最大限に利用して、自分の願いを叶えてゆく。
母娘の間に父親の存在が不要になれば、女をあてがい、しかし夫の経済力と愛情は失われないやり方を画策し、優秀な心臓外科医に娘を診てもらうためなら自分の身体を投げ出すことすらする。それは彼らが彼女の世界の「救世主」だったから。


ある日、その残酷さを揶揄する口調の青年、新たな救世主、の前で沙良はブラウスを脱ぎ捨ててみせる。
「私が女を利用していると言いたいんでしょう?でもそれは母親だから。自分の女の部分を大切にするのをやめたから。どうでもよかったの、私のすべては・・」
この時の彼の狼狽、そして悔しそうに顔を歪めつぶやく「ちくしょう・・」は、私には彼女のしたことへの怒りというより、この現実の世界への言葉のように響いた。悲しみや怒りに溢れたこの世界を呪う言葉。


沙良のような人は多分それほど珍しくない。彼らの時計は、大きな傷を受けたところで止まったまま、動かなくなってしまう。その現実が受け止められなくて、動かすことを拒否する人もいる。そして、そこから生まれた歪で、いつしか心が壊れてしまう。
沙良がふと漏らした言葉、「私、相手の人が話してくれるのを待ってしまうの」や、「簡単に淋しいとかいう人は好きじゃない」も、彼女の心の空虚な部分や、人に素直になることができない気質を物語っていて、そんなトラウマを育てた彼女の家庭環境や両親との関係などをつい想像してしまう。


しかし、今回一番の衝撃は「次回予告」(笑)。
ここまでの話では、沙良には青年に対する少し特別な感情が芽生え始めていたようだけど、青年の沙良に対する気持ちは人間的な「好意」とでも呼ぶようなもの以上ではないと思っていた。今回のような沙良の告白話を聞いても、それが彼の恋心に直結するとは到底思えない。それがなんでいきなりチューなんだよ!


沙良「声が聞こえたの。あなたの心の声が」
青年「・・あなただったんだ?」
沙良「始まりから、あなたに恋をしていたんだと思う」


「あなただったんだ!?」ってそれはいったいどの「あなた」??
ううむ、これはどうもまた新たな扉が開くようだ。何か二人の宿命を感じさせるようなエピソードがあるのだろうか。実は二人は昔一度出会っていたことが発覚するとか。実はいつも同じ夢を見続けていたのがわかるとか。それとも二人にも4Uのバイトの兄ちゃんのような超能力があったとか、とかとか。


それにしてもチューは上手にできたかしらと35歳トップアイドルを心配しつつ、怒涛の次回を首を長めにお待ちします♡