太陽の声 ざっくり技術編


前エントリーの「太陽光でつくった音は違う」、ちょっとばかり誤解を生んでいる部分があると思われるので、ヤボは承知で少し説明させていただこうと思う。
技術面でのサポーターはウチの夫。すっかり忘れていたのだけど、彼は以下のACだのDCだの方面の専門家だったので、「サル(妻)でもわかるように説明してくれ」と頼んでみた。


コアになるのは、タイジさんの
『ソーラーで作った電気を、蓄電池にためて、その電池から直で電気を取ると、圧倒的に音がいい』
という発言。これは事実だそう。ざっくり言うとこんなかんじ。以下。


原子力、火力、風力、水力、太陽光etc.発電方法は数あれど、そこで生み出された電気は高圧電流として送電線に乗り、数百㎞もの旅をした後に各家庭のコンセントへ到着する。その途中何度も、交流・直流の変換や、変圧を経るため電流の中にノイズが混じる。ゆえに、コンセントにアンプを繋いだギターの音はそのノイズの影響を受けることになる。


しかし、(発電源を問わず)電気は一旦蓄電されるとそのノイズがクリアされるため、蓄電したものを使えばノイズの影響を受けない音が出てくる。
しかもソーラー発電は、電気がDC(直流)で生み出されるため(タービンを回して作られる他の電気はAC(交流)になる)、たとえ蓄電池を通さずDC機器であるアンプに繋いでも電気にはストレスがかからず、美しい音が生み出せるのだそうだ。ただ、実質的にはその時の天候によってソーラーパワーにムラができるので、やはり蓄電池は必要になるが。
(※ウチの夫はその音の違いを具体的に比べてみたことはないので、どの程度の違いが出るのかはわからないとのこと)


そして、もう一点長所として、ソーラー発電は「その会場に電源を設置できる」ということがある。発電源が近ければ、変電所など経る度に消耗される電気のロスが防げる上、ノイズも生じない一石二鳥。
もちろんやろうと思えば、他の発電所の近くでLIVEなんていうのも可能かもしれないが、タービンを回す時に発生する低周波ノイズは音響機器をジャマするのだそう。
と、話を総括すると、ミュージシャンにとってソーラー発電は確かにいろいろな面で理想的なようなのだ。


今年も開かれる「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」、実際にこんな大きなイベントも自分たちの作った電力でつくりあげることができる、ということを体感するのは、その音を体験するのと同じくらい面白いことだと思う。
タイジさんはこんなことも言っている。
『サウンドチェックとかであまり使い過ぎたら、本番で使う分が無くなる可能性がある。やれる、行けるってなったら、終了!という風にしないと 本番でのびのび演れない…「必ず限りがあるねん」って事ね。それを次の人間の生きて行くうえの基準にしていかなければと思う』
そこに気づいて欲しい、ということが彼が太陽光にこだわる理由であり、メッセージでもあるんだろう。楽しいコトは終わって欲しくない。でも、どんなものにも限りがある。人の命にも。そしてエネルギーにも。


THE SOLAR BUDOKAN 2014 http://solarbudokan.com/2014/
今思えば、剛さんはさりげなくこのイベントの宣伝をしていたのだよね。ふむ、ますます「太陽の声」が聴きたくなった。ゼヒ中津川にも行きたいものなのだが、わたくし実は重度の紫外線アレルギー。残暑の野外は自殺行為なので、また武道館でやってね、タイジさん(泣)


               ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


私はここにやって来たのさ 壊れた民主主義を乗り捨てて 私はドアをノックしたのさ ソーラーだけでやらせろと


太陽光で貯めた電気は スピーカーとかで使うと 圧倒的に 特に俺のマーシャルとか エレキギター弾きには たまらなくおいしいご馳走なのさ


みんなきっとわかってる いつの日かこの国中が再生可能エネルギーだけでやれるのさ 全然やれるのさ 太陽はこんな感じで ずっと我々が死んだその後も 輝き続けるものなのだから 輝き続けるものなのだから ありったけの愛だけで


<佐藤タイジbotより>


※もう講義を受けながら気が遠くなるくらい、サルには物理系の話は難しすぎて、ざっくりしすぎた話ですいません。何かご質問等いただいてもご期待に添うお答えができるかどーかはわかりまてんので悪しからず。
ちなみに、現時点でソーラーパネルは耐久性と廃棄処理に問題が残るので、更なる改良が望まれているそーです。ウキキー。