Fashion&MusicBook 太陽の声


今夜のFashion&MusicBookは、ソーラーエネルギーの話が出た。


佐藤タイジさんがshipで話していた『THE SOLAR BUDOKAN』へ行った方から、「クリーンエネルギーは音の響きが違った。鮮明で、音のつぶがみずみずしい気がした」というメール。


<奈良のshipもソーラーでやりたかった。
奈良でやろうと思った時、震災から近かったからいろいろなことを考えた。僕が愛する故郷を体感することで、皆さんが自分の故郷をどう愛していくか、答えを少しでも明るく出してもらえるんじゃないかと思ったし、大好きな場所で問題となっているエネルギーのことも考えた時、「やっぱり太陽かな」、と思った。僕たちはずーーっと太陽から力をもらっているから。朝起きて太陽を浴びて、夕日を眺め、そして太陽の光を反射して月が輝くのを見る。


以前話した「文明がローテクだった頃は心のテクノロジーが発達していた」とか、そういうことを連想させるのは太陽だった、僕の中で。この太陽のエネルギーを借りてshamanipponshipで古(いにしえ)のFUNKをやり、僕の故郷を鳴らす。ギターやいろんな「文明」を使って古を鳴らし、僕の心は2012年にあるけど、それが1300年前の心であるかのように歌う。そういうものを自分も体感したかった。そして、「太陽の声」を聴きたかった。
街から山に入るとshipがあって、そこにはもう電波は届かない。LIVEを観て、また山を下って電波の届く街へ帰る。そこで、皆が自分にとって何が必要で何が不必要かを感じる。帰る空には月が浮かんでいる。太陽の音を聴き、月の声を聴く。太陽は沈んでも月が太陽の声を月明かりとして、皆に降り注ぐ。そういうことを改めて考えて、ひと手間かけてLIVEをやりたかった。


発電所で作られた電気で音楽を鳴らすということはこれまでやってきたことだから否定はしない。でも今エネルギー問題があるということなら、僕たちはそれを考えなくてはいけない職種だとも思う。
そして、『THE SOLAR BUDOKAN』をタイジくんはやった。ひと手間ひと手間めっちゃ膨大なひと手間がかかってる。「剛くんも絶対やったほうがええで。ほんま音ちゃうで」と言われた。


音がいい悪いということだけじゃなくて、ソーラーで音楽を鳴らすということは、太陽の声を僕らが代弁できるってこと。そして太陽の音で楽器を鳴らすのは、「ありがとう」というのと同じ。太陽に手を合わせることでミュージックが鳴り、グルーヴしていく、鼓動がしていく、心臓が動いていく。
そういう音を聴いて歌うと歌は絶対変わるし、ギターのフレーズも変わる。これはいつか絶対体感したいと思ってる。>


タイジさんのパワーは私もshipで感じた。その日は奇しくも丁度一年で太陽のパワーが最も強くなる夏至の頃で、しばらくぶりに観たLIVEは随分と雰囲気が変わっているように感じた。当時私はタイジさんという人を全く知らなかったのだけれど、初めて彼のギターを聴いた後、このブログに「太陽のような音」と記している。彼はステージにいるだけで、場の空気ががらりと変わるようなエネルギーを放っていた。その彼が太陽光発電にこだわり、そこに剛さんがひとかたならぬシンパシーを感じ、刺激を受けているらしいのは、なんだかとても嬉しい気がする。
http://d.hatena.ne.jp/blancmange/20120626/1340723048


この「太陽光で作った電気で聴くと音が違う」、というのは震災の後に話題になったのを覚えている。試しにググってみるとオーディオマニアの方々のブログなどで言及されているものが読めると思う。私には技術的なことは皆目わからないけれど、ざっくりと言えば、「遠く離れた発電所からの電気には送電途中で多くのノイズが入ってしまうが、太陽光で作り蓄電したものならノイズもなくクリーン=ステレオに繋いで音楽など聴くとその違いがクリアに感じられる」ということらしい。


しかし、あれから既に3年経った今でもエネルギー関連の政策はほぼ凍結状態。各自治体や企業などが自主的に動いているものの、クリーンエネルギー「革命」が起きようものなら、どこからともなく横槍が入ることは想像に難くない。緑の党が強いドイツですら、太陽光や地熱の発電システムなどを作ると電力会社からの嫌がらせがひどいと聞いた。そして日本では政治は民意を反映するものではないらしいということが、3年経って益々明白になってきた。政治家たちはただひたすら、日本の未来より人の命より大事な「何か」を守ろうと躍起になっている。だから、ひとりひとりが自分の意見を持って、アクションを起こすことが大切になってくる。


それにしても、武道館でロックミュージシャンたちが音を鳴らしまくって、それでもなんとかなる電力を自分たちで賄えるってすごいことだと思う。去年は野外でもソーラー式LIVEを開催しているし、原発を再稼働させる動きがある今、そのクリーンエネルギーの可能性にまずは注目すべきだろう。
本当に剛さんの周辺には面白い人が多い。いつか<THE SOLAR SHAMANIPPON>ができるといいな。私も是非、そのクリアな「太陽の声」を聴いてみたい。


中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013 →http://solarbudokan.com/2013/index.html
佐藤タイジ インタビュー→ http://kansai.pia.co.jp/interview/music/2013-06/theatrebrook-saikinnokakumei.html
ちなみにTwitterでも佐藤タイジbot @highishikitaiji がソーラー関係のことなどもつぶやいていて、これがめっちゃかっこいいのであります。