逝く夏の


平安神宮LIVE、今年も無事終了。
3日目はざあざあと降り続く大雨、参加された方々は大変だったことでしょうが、レポなど読んでいてとてもうらやましかった。剛さんのうたを美しい月を眺めながら、風に逝く夏を感じながら聴く、というのももちろんオツなものだろうけど、古代人のように強い雨に自然への畏れを感じながら、というのはまた格別かと。


昨日、日本から「瞬き」セットが届いたので、凝った限定盤の「目」ジャケでわ〜いと遊びつつ、瞳の中に太陽・月・地球を見つけたり、いつもながらジャケットのアートワークに感心。あの通常盤の指でSquareを作る剛さんも、黒い手は手袋ではなくて肌を黒くペイントしているのね。白黒は写真のネガとポジ、ということなのかな。


「瞬き」と「電(いなづま)」は、shamanippon=剛ワールドが新たなステージに入っていく中で特に大切な歌になる気がする。
「電」は「ソメイヨシノ」の世界を髣髴とさせる。ただ、いつか「天へ昇るあなた」を想い、深い底なしの淋しさに沈んでゆくような「ソメイヨシノ」に対し、「電」は「あなたが昇った日」の、大きな喪失を深いグリーフとともに見送る後姿、なのだ。そして、その失ったものを記憶の中に永遠に抱いて生きていきたいという祈りのような誓いのような想いが、「瞬き」でそっと空へ放たれる。


それがノンフィクションであれ、なにかのメタファーであれ、そこには、これまで彼の中で、じっと息を潜め心を重くしていたものが旅立ってゆくのを、今静かに見送った気配を感じるような気がする。


「雷」が夏なのに対して、「電(いなづま)」は秋の季語なのだそう。雷が轟くような狂おしい想いを鳴らしたE☆Eのあと、次第に満ちていったエネルギーを美しく放ってゆくことになるのがshamanipponの音楽、ということか。


早いもので、今週末は朝日ドリームフェス。初フェスはインストが主になる、というようなことをラジオで言っていたけど、本当かなあ。初めて彼の音楽を生で聴く人が多い場所で、どんなサプライズを用意しているんだろう。それにしても今月はレポ読むばかりでなかなか空しい人生なのだ。わーん。