天魔さんと剛さん


昨日からローソンにて天魔さんグッズが予約開始になった。例のオバケーのシンボルマークと、事務所に飾られている法界家の家紋をベースにしたグッズで、これがまた安くて可愛い。高くてださ・・ごほごほ・・なKinKiのコングッズもこれをゼヒ見習っていただきたいもの。
LAWSON ロッピー:http://www.hmv.co.jp/fl/96/29/1/


天魔さんも3話になり、益々面白くなってきた。
私はあまりドラマを観ない。その昔トレンディードラマが流行った頃、あんまりつまんなくて観なくなり、その後海外で暮らすようになって、今度は観ようにも観られず、結局20年くらいご無沙汰してしまった。
が、今季は「あまちゃん」を観始めた勢いで、「Woman」「ぴんとこな」「スターマン」辺りを観ている。そこで一番の発見は、80年代の小劇場ブーム以降、個性派の俳優は見事にそっち方面出身の人ばかりなこと。「あまちゃん」は脚本がクドカンさんだから脇役はほぼ全員、「天魔さん」も、おとん、警部、大覚さん、みんなわかりやすく芝居小屋臭を漂わせている。やっぱりコメディーは特に、マンガチックなデフォルメされた演技がわかりやすくて面白いのかな。


その中で、剛さんの演技はいい意味で浮いている。マジメなんだか天然なんだかなんともつかみどころのない天魔さんを演じる剛さんには、当然のことながら芝居小屋臭がない。どちらかと言うと、役になりきるというより役者の個性の方に重きがある小劇場出身の役者に対し、剛さんはコミカルな2.5次元の役どころを一見テキトーなように見えて実は細かいところまでキッチリ役作りをして演じている気がする。


人並み外れた観察眼を持っているであろう彼の頭の中には、これまで会った人たちの風貌、性格、癖、仕草、話し方etc.がキッチリとファイリングされてるんだろう。そういう人はそのイメージを自分の身体を使ってトレースするのもうまいものだ。少し前にZipでダイスケさんの前で何気なく前川清のマイク使いのマネをした時の、握り方、角度、位置の完璧さ。ああいうところに彼の観察眼の鋭さを怖いほど感じる。


天魔さんの役作りも、脚本からその性格をひとつひとつ紡ぎ出すと同時に、自前の膨大な「人間観察ファイル」の中から「天魔さん」という人にぴったりの目つき、しゃべり方、歩き方なんかが自然に導き出されてくるのだと思う。ダニエル・ディ・ルイスなんかと同じタイプ。少し前に彼の演じた「リンカーン」を観て、申し訳ないけどそのストーリーより彼のリンカーン像のリアルさ、説得力にひどく感動してしまった。他の役を演じた時の彼とは何もかもが違うのだ。首を傾げるちょっとした角度や、ペンの持ち方、歩き方、細かなこだわりがその人物の性格を見事に描き出している。


剛さんもそういう「演じる人」だ。今までのドラマもキャラクターごとにもう別人のように顔つきが違う。そしてKinKi Kids、E☆E、shamanippon、名前、衣装、髪型ひとつで微細に設定が変化していく。きっと、私たちが剛さんだと思っている人も、彼がつくり上げた「アイドル・堂本剛」であって、本当の姿など知る由もないのだ。
なんてえことを天魔さんを観ながらしみじみと思い巡らし、おとんや大覚さんの繰り出すアドリブに思わず笑ってしまう剛さんの笑顔に、ちらりと「素」のかほりを感じてにやついてしまう丑三つ時なのであった。