「小喜利の私」 旅する王様 


今日は小喜利の当落メールの日。そこで知ったのが、3回追加公演が出ていたという事実。いつの間にっ。追加は以下。(チケットの新規申込みはありません)
  10 / 6 (土) 14:30 … 第二.五話
  10 / 7 (日) 13:00 … 第三.五話
  10 / 8 (月・祝) 13:00 … 第四.五話


Shipの長期公演後ということで、関西方面のファンはつよし飢饉にあえいでいる方も少ないだろうと思っていたら、さにあらず、えらい激戦となっていたのに驚く。もちろんライブが観られなかった方にはリベンジだったのだろうけど、観られた方にもつよし酔いに迎え酒的な心理が働いたのであろーか。


参加できなくてもつい気になるので、何気に大阪の会場である大阪森ノ宮ピロティーホールの場所を調べると、そこはなんと難波宮跡のそば。こないだまで平城宮跡のそばにいた剛っさん、今度は難波宮跡へ。そこは大化の改新が行われたところで、そのきっかけともなった中大兄皇子らによる蘇我馬子の暗殺が起きたのは奇しくも飛鳥板蓋宮、あの石舞台のそばだ。そして、小喜利の前には平安神宮ライブがあるが、平安神宮は広大な平安宮跡の上に建っている。
ShipのMCでも確かそんなことを言ってたけど、彼はほんとうに関西エリアの「古(いにしえ)の都」を巡った後、じわじわと東の「都」へと足を伸ばすつもりらしい。


ええい、ついでだしっ、と何か「ご縁」めいたものがあるかしらと調べてみると、まず最初に彼が足を伸ばす先、福島県にある有名な磐梯山は、厩岳山、吾妻山とともに山岳信仰の盛んなところで、その本山となる慧日寺は徳一という奈良の学僧によって、平安時代の初めに開かれた。ここは空海が請雨(雨乞い)を習得したところとも伝えられる。
そして、宮城県は大化の改新後に、福島・宮城・岩手を含む東北の大きなエリアが「道奥国(みちのおくくに)」と定められ、その国府が置かれたところ。
岩手県は一説には、古代から「日高見国(ひたかみのくに)」と呼ばれ、それが「日本国」の名前の元になったとも言われている。


全然知らなかったぞ、東北の歴史っ(汗)。「ご縁めいたもの」があるどころの騒ぎじゃない。NIPPONの名の元になった(のかもしれない)東方の古い古い都があった道奥国を剛っさんは周ろうとしているのだ。


「国誉め(くにほめ)」という言葉を思い出す。
『 大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち
国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は 鴎立ち立つ
可怜国(うましくに)ぞ 蜻蛉島(あきつしま) 大和の国は   <舒明天皇> 』


国誉めは古代の言霊信仰による神事。その土地がどんなに素晴らしいか誉め称えるうたを作り、八百万の神に捧げ、地のエネルギーを高める。これは天皇だけでなく、地方の国に派遣された役人の大切な任務でもあった。
万葉の昔から、多くの「うた」が「国誉め」のために作られた。それは和歌だけではない。土地に古くから伝わる民謡はもちろん、いわゆる演歌やフォークソングなどの「ご当地ソング」もまた「国誉め」なのだ(剛っさんがその昔歌った「みちのくひとり旅」も(笑))。最近で言えば、ご当地を紹介するゆるキャラもそう。せんとくんやナライガーも立派に「オラがくにが日本一」と声高く「国誉め」の任務を果たしている。


しかし、この「国誉め」はあくまでも言霊に依るもの。そこがまだ震災の傷跡が生々しく残る地であれば、「うつくしきくに」をうたうことでその再生を祈ることにもなる。
剛っさんの小喜利旅も、東北の土地土地の海を山を空を眺めては「うつくしきくに」のための「うた」へのインスピレーションを得る、そんな旅になるといいな。


※「旅する王様」をイメージしたのはDepeche ModeのこんなMVを思い出したから。コレ、剛っさんがやったらめっちゃ可愛い。(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=aGSKrC7dGcY