新堂本兄弟&Shipで起きたこと


今夜の「新堂本兄弟」はCDデビュー15周年のKinKi Kidsがゲスト。待ってましたっ。
なにかこう「しっくりくる」という言葉がピッタリくる、久しぶりのツーショットというか、お雛様並びのふたり。祝ってくれるレギュラー陣の愛に溢れる質問に、ふたりとも終始笑顔で、合宿所時代やCDデビュー前後の懐かしいエピソードを披露した。今回は聞いたことのないエピソードも多かったなあ。


しかし改めて思う「12歳でジャニーズ事務所へ入る」ということ。
「今15歳の自分に言いたいこと」という質問にコーイチくんが「よく周りを見ろよ」と言いたいと答える。「もっと周りを見れていたら、もっといろんなことを吸収できた」。それに剛っさんが「忙しすぎて考える時間、感じる時間がなかった。感謝を忘れる瞬間も多かった」と、付け足す。
確かに当時は歌番組も多かったし、デビュー前からレギュラー番組をいくつも抱えてきた彼らの忙しさは今の売れっ子タレントより凄まじかったんじゃなかろうか。百戦錬磨の大人たちの世界で働く15歳に、周りをよく見ろ、自分で考えろ、というのはあまりに酷な話だ。そんなことはいくらでも時間のあるフツーの15歳にだって難しい。


そして33歳のキッズの歌う「Anniversary」。あれ?と思う。なんかいつもと感じが違う。昨夜観たKコンDVD(前エントリーを書いた21日の朝に奇跡の到着!また改めて感想書きます)の「KinKiの剛くん」と違う。まっすぐに前を見つめるその眼差しにも、いつもの伸びる歌声にも「KinKiの剛くん」の甘さがない。いつも器用にソロとKinKiではモードを切り替える彼が、何か今夜はソロモードに近い力強さの加わったとびっきり自然体の「Anniversary」を披露する。15周年の記念日に彼は何を「感じた」んだろう。


その同じ夜、shamanipponの公式twitterアカウントからこんな「お知らせ」が来た。
<〜お知らせ〜 公演中の演奏の妨げになる行為(物を渡す等)はおやめ下さい。ご協力頂けない場合は演出の変更を致しますのでご協力をお願い致します。>
これははっきりとは書いてないが、剛っさんの「お散歩」中、彼の弾くギターのネックにお守りとかマスコットなどをつける人が増えたことに対する「イエローカード」と思われる。
最初の頃は皆彼が近づくとざざざっと飛び退くように道を開けたのだけど、ある時誰かがギターにシールを貼ったり、何か物をぶら下げることを始め、時には彼の腕を掴む人がいてもなんの「お咎め」もなかったというところから、次第にコトがエスカレートしていったということは確かにある。


ただ、多分このイエローカードは事務所側が出したもので、剛っさん本人の意思とはまた別だと思う。というのは、この「お散歩」は彼がやりたくて始めたのに違いないし、そこでいろいろなことが起こり得るということは百も承知の上だったと思うからだ。だから彼はこれまで何も言わず全てをオーディエンスの自主性に任せた。
だが、ひとりひとりのファンはお行儀が良くても、それが集団になると別の人格が生まれる。皆がやるから私も、えっ触ってもいいの?じゃ私も、という風に。あそこで剛っさんがもみくちゃになる、ということがあり得ないとは誰にも言えないし、彼も覚悟はしていたと思う。だからこそ事務所側は彼が「お散歩」を始めた時からイエローカード、レッドカードのラインを決めていたはずだ。そしてそれを今日発動した。これからオーラスに向かって皆の感情がどんどん高まっていくこのタイミングで。別に今夜のShipで何か特別な「狼藉」があったのではなく、最初から刺すと決められていた「釘」なんだと思う。


ステージを降り、皆と同じ高さで目線を合わせたのは、云わば剛っさん的「人間宣言」なんだろうなと思っていたが、そこにはやはり「限界」があった。
ただ、これに関しては彼に恨み言を言うのは筋違いで、この事態を一番悔しがっているのは彼だろう。彼はとことんファンを信用して最終公演まで「釘」なしで行きたかったに違いないと私は思う。が、それは彼が決めることではなかった。ここにも「ジャニーズのアイドル」の限界が立ちはだかった、ということか。多分このイエローカードはオーディエンスだけでなく、大人たちが彼に向けたものでもあったんだろう。


もちろん本来は、万が一にも彼やオーディエンスに怪我があってはいけない、という配慮からの警告であるのは間違いない。あと5公演。彼にもバンメンにもかなり疲れが見えるようだけど、この一件でテンションの下がることなく無事オーラスまで走り抜けてほしい。