shamanippon 私的オーラス


昨日帰国するも、まだ全然現実に立ち戻れず。今日はぼーぜんと過ごしてしまった。
でも今回は全然疲れたというかんじがしない。本当に奈良ではいろんな方に、いろんな場所に、いい「気」をいただいた。今日からぼちぼちと奈良で感じた様々なことを書いていきたいと思う。


22日が私のオーラスだった。
前回の乗船は2週間前。まっさらな、丹精に練られた構成がやや固くも感じられた初日のライブから比べたら、その時点でも随分リラックスした印象を受けたが、その時からまたShipの印象は大きく変わっていた。随分とクレイジーな方向に。


多分それは佐藤タイジさんの影響だろう。先週彼が清水さんの後を引き継いで以来、その強力なキャラが話題になっていた。メンバー紹介で
♪初めてここに来て 剛くんの横でギターを弾いて 
新鮮な驚きと ほとんど女の現場 楽しくて仕方ないぜ♪ 
などといきなり歌い出す、ちょっとばんばひろふみ系関西人顔のこのどこまでも陽性のギタリストが、大きくライブの雰囲気を変えた。「あ、それアリなんだ?」と思ったかどうかは知らないけれど、以来他のバンメンさんたちもそれぞれに個性を主張を始めると、SWING-Oさんが入ったことで厚くなっていた音が、次第になにか熱を帯びたかたまりのようなものに変わっていった。Shipの中にどくどくと何かが脈打ち、ゆっくりと空気が膨張していく。太陽のような音。折りしも21日は夏至。一年で一番太陽のエネルギーが満ちる時・・・。


当然、そのパワーは剛っさんにも変化をもたらす。
同じ頃から始まった、ステージを降りての「お散歩」。最初はステージと一列目の間を歩くだけだったが、それがいつしか6列目と7列目の間の通路へも向かうようになる。「月」のギターを抱え演奏を続けながら歩くその姿は「お散歩」というより「練り歩く」というかんじだ。その顔に微笑みはない。周囲を見渡すその目も、「見つめる」のではなく、「見据える」「にらむ」もしくは「メンチ切る」に近い。完全なるドSモードで、時折あとずさる女の子を挑発するかのようにじわじわと追い詰めては、するりと身をかわし、またゆるりゆるりと歩を進める。その姿を見ようと通路に身を乗り出す子たちも、彼が近づくにしたがってその道をまた静かに開ける、まるでモーゼの十戒のような不思議な光景が繰り広げられる。観客を巻き込んで、どんどんとライブのテンションは上がっていく。


そこはまさに「ゼロの創造」が行われるところ。人の力と自然の力が溶け合って常に変化を続けながら、新しいものが生み出されていく。この夏至に近づくそのエネルギーの高まりの中で生まれた新曲がアッパーで力強いロックチューンだったのはきっと偶然ではない。
これから夜が長くなっていき、月が静かに満ち欠けを繰り返すようにバンメンも交代し、まさに一期一会のクリエイションが毎晩あの場所で行われるのだ。刺激的なそのオーガニックなグルーヴの引力に今もまだ影響されている自分を感じる。理屈ではない。体がその引力をまだ覚えている。


このあと、あの場所は一体どんな風に変わっていくんだろう。どんな深みを、高みを見せてくれるんだろう。この2ヶ月にわたる長期ライブが終わった後の完全に「なにか」にチューンナップされた剛っさんを見たい。それがどんな姿なのか、全く想像できないところが、堂本剛という自然現象を見守る醍醐味なんだろう。


と、そんなことを思っていたら、今日のライブはそのタイジさんが抜けて清水さんがカムバック、kenken→森多聞さん、ルイスさん→小澤さんという交代があったそう。これだけでも随分と音も雰囲気も変わったことと思う。それを剛船長はどんな風に舵を切ったのか。気になる。。


追記:私的オーラス、席が7列目だったことを神に感謝いたします。(& special thanks to S様)
つよしはいいにおいがしました。。。くーっ。これで今年後半を乗り切るぜっ。