旅に出ておりました。


5日間ほどフランスへ旅に出ておりました。
基本パリに滞在して、1日はモン・サン・ミッシェルへ。パリからは西へTGVとバスを乗り継いで4時間ほどかかるところにある中世の修道院。8世紀にオベールさんという司教が大天使ミカエルのお告げを受けて小さな聖堂を建立したのが始まり。周辺は潮の満ち干きが激しく、満潮になると全く陸地と切り離される島になってしまい、その昔はその海を渡ろうとした多くの巡礼者が命を落とした・・・。


そのモン・サン・ミッシェルの美しい姿に初めて出会ったのは実は中学の頃。本で見て「ああ、ここに行きたい!絶対行く!」と思って早幾年(汗)。やっと今回縁が結えた場所なのでした。
モン・サン・ミッシェルは元々はケルト人の信仰の場だったところ。時々このブログにちらほら出てくる「ケルト」とというキーワード。私の惹かれるところ、行くところにいつもついてくる。ほとんど導かれている気すらする。これまでの海外生活で住んだことのある土地は全てケルト縁(ゆかり)の土地だった。今住んでいる町などは、私が住み始めた翌年に、それまでローマ人の作った町だったという定説がひっくり返される考古学的発見があって、「先住していたのはケルト人」と土地の歴史が塗り変えられた。
そうやって「ケルト」というコマを置いた途端、パタパタと周りのコマがひっくり返される。オセロでカドを取った時みたいに。きっと私はどうしてもいけなくちゃいけなかった土地なのだ。で、やっと行けたのだ。これでいいのだ。(涙)


そして剛ファンとして特筆したいのは、竜伝説。この聖ミカエルというのは竜退治のヒーローなのだ。ま、退治しちゃうんだけど(笑)。なのでその修道院の尖塔の上には剣を掲げた金色の聖ミカエルが竜を踏んづけている像が飾られている。(その伝説の元を辿ると、ユダヤ教とキリスト教のゴタゴタがあるけどそこは割愛)
そしてもうひとつ。このミカエルという名前。これは国によってミハエル、マイケル、ミッシェル、ミケーレなど様々なバージョンがある。聖ミカエル竜退治伝説から、どこでも男の子の名前として人気の、「ミカエルのごとくつよい男となれ」=「つよし」的な名前なのだそうな。以上、つよしプチ(かなりどーでもいい)トリビアでした。


しかしこのモン・サン・ミッシェル、19世紀に陸地と修道院を結ぶ道路が作られて以来、周囲に砂が堆積してしまい、それまでのような満潮時に海に浮かぶ美しい姿が見られなくなってきてしまった。ということで、その道路を取り壊し、橋を架ける工事の現在真っ最中。もし行こうとしている方がいらっしゃったら、今はオススメしません(涙)。ガイドブックには「2012年の4月下旬には島までバスで行く今の方式はなくなる」って書いてあったけど、まだ橋を架ける工事なんて全く進んでなさそうで、情緒ブチ壊しの工事がいつまで続くのが実は定かでなさそう。プチ旅行インフォでした。


ただ、干潮時目の前に広がる壮大なパノラマは一見の価値あり。フランス旅行をされる方には是非オススメしたいところです。


<反省会> 今回の旅、なんてったって失敗はイースター休暇と重なってしまったところ。日本から遊びに来た家族にはイースターなんて関係ないし、私もすっかりそんなことは忘れてブックしてしまって大後悔。GWと同じでどこへ行ってもゲロ混み。
特にここ5年くらいは欧州の主要観光地、例えばパリ、ロンドン、バルセロナ等への国外からの観光客の絶対数が激増しているのを感じる。自分も外国人観光客だから文句言うのもナンだけど、今世紀に入って元共産圏で自由に旅行ができなかった地域の方々が経済的にも力をつけてきたのが大きいのですね。アジアからは中国、韓国からの観光客が目に見えて増えているし、後はロシア、東欧から。パリに行っても聞えてくるのは外国語ばかり。フランス語の響きに包まれて「パリの異邦人」を気取ることがヒジョーに難しくなってきた。旅=妄想トリップでもある私に、これは正直ツマラナイ・・・。次回はこの時期を避けて、どこか田舎をまた旅しようと心に誓った次第。