「平安結祈heianyuki」完成披露試写会


今日は「平安結祈」の特別試写会でした。
24人のファンも招かれた試写会ということで本人も登場するかと思いきや、それは記者会見のみ。しかもすぐに各メディアのサイトに出た記事は、肖像権の関係でどれも堤監督の写真のみで、記事を読まねば主演はいたのかどうかもわからないというジャニーズのやることの不思議。そんなもん規制したところで、明日のワイドショーには出るのだろうし、活字メディアの来週号には載るのだろうし、ここでネット記事だけ差別するのがよくわからなーい。チケットの売り方と言い旧態然としたあの会社、多分社長副社長のわけのわからないこと(電子と名の付く新しいコト)はやみくもに禁止なのだろーか。


ま、そんなことはともかく、試写会に行かれた方々のtwitterを拾い読みすると、やはり絶賛の声ばかりでなんともうらやましい。最後に流れるSHAMANIPPONの建国のお知らせがとてもかっこいい、と聞いてそれだけでも観たい・・。私は上映中期間中には帰れないので、もうこの話題は全部スルーしてやるぅぅとも思ったんですが(笑)、彼の言葉はやっぱり自分も読みたいのでざっとナナメに読んだところ、「ザ・テレビジョン」の記事がよかった。


堤監督 「すごいシンプルな映画です。シンプル過ぎて、私もプロとして不安になるんです。でもいらなかったんですよ。まったく!一番シンプルなことが一番複雑なものを見せるというのは今回初めて分かりました。演奏も、太鼓だったり、ハイテクな技術を使った音だったりといろんなことをやっているんですが、そこで浮かび上がっていくものは、飾り気のない”何か”なんですよ。見てもらえば伝わると思います。すごい不思議な体験をさせてもらいました。長い業界人生で得てきたものを、一度リセットして疑うくらいの力を持った何か強いものを撮らせてもらったというのが正直な感想です」


剛 「僕より下の世代の人たちは特に、この先つらい現実に直面することがあると思うんですが、現実を乗り越えていくためにも、一度現実から離れてみて、想像や空想の世界の中から現実を見詰めることって必要なんじゃないかなと思うんです。今回の作品では、ライブのようでライブじゃない、映画のようで映画じゃない、現実のようで現実じゃない、空想的な世界観を感じていただけると思います」


今はカメラの性能に加え、3DだとかCGの特撮技術を駆使して、まるでホンモノのような画像を作り出すことができるけれども、結局ハード面(技術)が進めば進むほどソフト(ドラマ)が必要になってくる、ということなんだと思う。「スターウォーズ」の新しいシリーズの退屈さを思い出してもらえばわかりやすいと思う。
技術は観る者から想像力を使う楽しさを奪ってしまった。CGなんてなかったけど、ゴジラだってエンタープライズ号だってあんなにリアルだった。もっと言えば能や文楽だって、観る者がリアルを作り上げるわけで、想像力にはCGや3Dよりすごいものが創り出せるはずなのだ。


それを受ける剛っさんの発言がまた面白くて、『ライブのようでライブじゃない、映画のようで映画じゃない、現実のようで現実じゃない、空想的な世界観』という下りは、なんだか能の世界を彷彿とさせる。現実の世界と異界の交わるところに生まれる物語は、時間も空間も支配するシテ(剛)がワキ(観客)を夢幻の世界に連れて行く。ミニマムな動きで面をつけ演じられるこの現実のようで現実でない舞台劇は、観る者が想像力を大いに働かせることが必要になるシンプルの極みのようなものだ。これがまさに「戻る」、ということなのか。


是非劇場の大きなスクリーンで観たいものだけど、仕方ないので私はDVDの発売をひたすら待って、一番大きなTVを持ってる友達のところで観ることにしよう。ま、それも想像力を総動員すれば、小さなTVだって大きな感動は得られるのですがね(涙)。ただ音響のいいところで観たかったなあ・・・。


剛っさんの希望としては、台湾をはじめ香港や他のアジアの国々でも公開したいようだけど、パンダ外交で点数稼いだからすんなり行くのではなかろうか。今日の試写会では英語のフライヤーも配られたそうだし。違う文化圏の人たちや日本のことを何も知らない人たちにも是非観ていただけたら、と思う。