Fashion&MusicBook「平安結祈」


24日から公開されている「平安結祈」。
初日のtwitterはその話題で持ちきり。ネタバレを気遣って皆さんあまり具体的な言及はなかったのだけど、それでもいろんなところから漏れてきたものを繋ぎ合わせて・・って「小喜利の私」の時と同じじゃんっ。しかし、いくらジタバタしたところでこの物理的な距離はなんともしがたいわけで、この継ぎ接ぎ作業に闘志を燃やすわたくし。


収集した言葉をざっくり見渡すと、ファンはもちろん一般の方々にもこの映画の評判は上々。特に普通は豆粒ほどの大きさにしか見えない彼の歌う姿、楽器を弾く姿を大きなスクリーンに(!)アップで(!)音響のいい映画館で(!)というのは、単純に新鮮な喜びだっただろうと思う。


そして今夜のFashion&MusicBookはその映画の話。以下抜粋。
< 二人で試写をしていて、これは一体なんなんだろう?映画なのか、音楽なのか。ジャンルはなんなんだろう?と。僕は「おれは一体何をしたんだろう?」、堤さんは「おれは一体何を撮ったんだろう?」と。>
< 堤さんにお願いしたのは、「空間」を撮って欲しいということ。「匂い」「時間」「その”時”」とかライブには大事なものがある。>
< このライブ中は奈良和歌山の災害も凄かった。故郷のことも震災のことも頭にあった。いろいろな、自分が抱えられる範囲の痛み、傷を癒す気持ちで音を鳴らす。会場は照明が暗くてあまり表情も見えなかったと思うけど、僕を見て欲しいんじゃなくて、見えない僕の想いや祈りや願いを感じて欲しかった。>
< 映画の大きいスクリーンに飛んで行ってるので、僕が何をやっていたかよくわかる。そういう空間を堤さんには撮ってもらった。その”時”を僕が生きた、というのを撮ってもらった。>


そしてその後に流れたのが、映画の中でも歌われた「Help Me Help Me」!
森閑とした空間に流れる彼の声。アルバムのバージョンもよかったけど、このライブならではの柔らかな空気感がいい。声が闇に吸い込まれ、どこまでも広がっていくような奥行きのある音。剛っさんは「ジャンルがわからない」と言ってたけど、コレは立派なアンビエントミュージック(環境音楽)ではあるまいか。何のエゴや私欲もない、彼の想いが自然の中に溶け込んでいくような、ある意味彼自身が自然の一部であることを表現しているような、幻想的でいてリアルな肌触り。彼の言う「見えない余韻」の心地よさを感じる。


映画館で観れないから悔しくて言うのじゃないけれど、コレ、あえて音だけを味わってみたい。いつかDVDが発売になった暁には、電気を消したお風呂で、ゆったりとお湯につかりながら聴いてみたいものだ。
映画を観に行けない者に、ステキなおすそ分けをありがとう。