Fashion&MusicBook バレンタインに思ふ


Fashion&MusicBook、まずはバレンタインデーのお話から。
ああ、もうすぐ14日なのだ。そこからまた悲喜こもごものドラマが生まれる、と。チョコレート会社の陰謀だとしても、やはりここまで「決戦の日」化してしまったら、乙女たちとしては何が何でも参戦せねばなるまい。


でも、剛っさん、あなたのように「手作りのチョコがいい!」という人はイマドキ珍しいかも。もちろん相思相愛のガールフレンドが心を込めて作ってくれたものなら話は別だとは思うけど、よく知らない女の子が「コレ、一生懸命作りました!」とくれるハンドメイドもの=お菓子、セーター、マフラーetc.は「きつい」というのが一般論。
チョコというのは、市販のものを一旦溶かして再度固めると味が確実に落ちる。そして編み物というのは余程うまい人でないと編み目が揃わず、既製品のようにカッコよくは仕上がらない。しかも「想い=念」がガッツリこもっていそう。そこがイマドキのグルメでオサレでライトな恋愛を求める男子には、なんとなく「不可解」なものに映るんだろう。


ま、わたくしも昔はそんな不可解な乙女のひとりだったので、エラソーなことは言えませんが、今なら普段ちょっと買わないような贅沢なチョコを買って、ふたりで「おいしいねー!」と食べるのが一番いいなと思う。告白用のチョコも、買ったものを自分で可愛くラッピングし直して手描きの絵でも添えたカードとともに渡す。暴走する乙女心が「これじゃ足りないっ」と思うくらいが、実は丁度いい按配なのだ、多分。
これは先週のF&MBの話ともカブるけど、「一目一目想いを込めて♡」なんて、やったこともない編み物をしたりするのは、やはり「恋する自分が可愛い」乙女の仕業。もらった相手の気持ちはワリとどーでもよかったりするものなのだ。


それにしても、大事な人が作ってくれるなら「今日はハンバーグやと思いながら仕事する」とか、チョコも「手作りならどんなにまずくても可愛いと思う。一生懸命作ったんやな、オレのために、ってキュンとなる」とか、いじらしすぎる。それが百戦錬磨のアイドルの必殺の口説き文句なら喜んでヤラレもしようが、なんだかそこに孤独な「剛くん」が見え隠れするというか、毎日コックさんの作ったものを食べてる子に、「いいなあ、おまえのお弁当、おかあちゃんが作ってくれるんや・・」なんて言われているようで、なんだか切なくなる。


突然のデキ婚はショックが大きすぎるのでヤメテいただきたいけど、彼が32歳の男として普通に誰かを愛しそして愛されているといいなあと思う。ファンがアイドルに求めるものはいろいろだろうが、私はやっぱり彼に一人の人間として幸せになって欲しい。ほんとうは、「愛も求めるものじゃいけない」のだけど、「捧げる」だけでもいけないのだ。あなたが孤独な求道者になることなど少なくとも私は求めていないぞ!と、なんとなく東方に向かって叫んでみたくなった、今夜のF&MBでありました。