ジャニーズ楽曲大賞


ジャニーズ楽曲大賞(Johnny's Music Award)というものが存在するということを今年初めて知った。
2006年からネット上で毎年開催されているもので、主催者によると「それぞれがジャニーズの楽曲を通してその年を振り返ってみよう」というカジュアルな趣旨のものらしい。今夜は第6回2011年の大賞が、楽曲部門1〜50位、PV部門、未音源化楽曲部門、現場部門各上位10位、自担部門の各部門ごとにTwitter上で発表された。(投票は2011/12/22 〜2012/1/9 24:00に行われた)


こうしてジャニーズ所属の各ユニットを一堂に集めてその活動や曲などに順位をつけてしまおう、なんていうことはこういう有志の手で行われる以外ありえないことのように思う。ネット上での告知そして投票ということで、投票する世代に偏りがあるのは明白、ということを差し引いても、さっくりとジャニーズファン全体の傾向を眺めるにはよい機会で、なんとなく見始めたら面白くてつい最後まで見てしまった。(笑)


全体的な結果はまとめて後日サイトで発表されるそうなので、私が見て面白いと思った部分だけちょっと書き出してみる。※私はKinKi以外のことはほんとーに何も知りませんので、Twitter画面を見て感じたままを書きます。


<楽曲部門>では、とにかく関ジャニ∞とテゴマス。発表された50位以内に入った曲数は彼らがダントツに多かった。私のような部外者にもじわじわと感じられる上昇気流というようなものが、はっきりと数字に現れたかんじ。そしてその次がHey!
Say!JUMP、Sexy Zoneあたり、というのは、やっぱり投票者の年齢層は若いだろうなと思っていたから想定内だったものの、ここにとんでもない伏兵が。
V6!彼らがこの楽曲部門を制したのには本気で驚いた。先日のカウコンでも観たSexy Honey Bunnyがやけにカッコよかったのは私も感じたものの、3位セクゾン2位テゴマスときて1位がV6だとは、V6担の方々とて驚いたのではなかろーか(全然驚いてなかったらすいません)。


彼らはこの部門の他にも、<未音源化部門>で「Supernova」が1位を獲得し、<現場部門>でも「V6 live tour 2011 Sexy. Honey. Bunny!」が3位に入る驚愕の大健闘。そこには、彼らのダンスやステージングの素晴らしさの他に「大人の余裕」「大人のセクシー」さへの賞賛が聞こえてくる。アラフォーを抱えるユニットならではの、ホンモノの大人のセクシーを前面に出した演出が功を奏したらしい。
思わず「隙間商法」なんて言葉も浮かんだが、現実的にはジャニーズ(アイドル)ファンが高齢化している今、隙間どころか「アダルトなテイストのアイドル」のニーズは年々高まるばかり。これまでお茶の間的にはゆる〜いテイストで売っている印象のあったV6だったけど、そこに「大人のセクシー」というコンセプトを投げ入れた途端、ゆるゆると燃えていた焚き火から火柱が上がった、ということだろう。
でもこれだけの票を集めるには広い世代の支持が要るはず。もしかしたら最近話題の「オジプラス」的なトレンドにも後押しされているのかな。カッコいいのにかわいいおじさん萌え。ジャニーズの未来はそこかっ。


<自担部門>は「(大賞の)メインは楽曲なので、人気投票というよりは投票者のファン層調査といった意味合いの強い部門」とは主催者のコメント。そこで圧倒的な強さを見せたのはやはりメンバー全員10位以内にランクインの関ジャニ∞とテゴマス(3位安田くん2位手越くん1位増田くん)。そして残りが嵐のニノ(7位)と大野くん(9位)。


そして一番気になったKinKi Kidsはというと、<楽曲部門>で64位に「いのちの最後のひとしずく」が唯一の登場(51位以下の発表は基本後日ということで今夜は抜粋して数曲だけ紹介された中に入っていた)。
この大賞ではシングルだけでなくアルバム曲への投票も可能なので起きたことなのだけど、どうやら「Time」はそれ以下だった模様(「変わったかたちの石」は今回の対象外)と、なんとも皮肉な結果に。ま、でもこれは現在KinKiが「キラキラ」と「オジプラス」の丁度中間地点で方向を模索している姿がそのまま反映した感があり、あくまでも想定内です。ええ。


このジャニーズ楽曲大賞、非公認なものながら、ファンの声がダイレクトに反映したものだ。投票の際書き込まれたファンのコメントは、そこいらへんのマーケティング会社に依頼して得た結果なんぞ及びもつかないほどの啓示に満ち溢れている。
AKBのように、選挙などでシロウトにある程度のプロデュースを委ねるようなシステムがゲーム感覚で面白がられていたりするように、今のアイドルオタクたちはアイドルを楽しむだけでなく、プロデューサー目線で彼(彼女)らを見るようになっている。それは無償であり愛だけに支えられているものであり、従来のマーケティングというものによって平に均された「つまらない」ものの上に、これまでのセオリーとは無関係な新しい感覚で自分たちの欲しいものを描いてみせる。
これからは、「誰にでも好かれるもの」から「あるマニアに徹底的に愛されるもの」の時代だ。わいわいと楽しそうに本音で語る彼女たちの向こうに、日本のアイドル界の未来はあるように思う。


詳細はこちら・・・ジャニーズ楽曲大賞公式サイト http://j-m-a.info/
公式Twitterアカウント・・・https://twitter.com/#!/j_award