Merry Christmas ♪


昨日、ネットでレナード・コーエンがニューアルバムを出すとのニュースを目にした。
彼はカナダ人のアーティストで、ちょっと調べたら、グラミー生涯功労賞、カナダ勲章の最高位であるコンパニオン認定されるなどに加えて、今年6月には科学、文化、社会の分野で国際的に活躍している世界中の個人や団体が受賞対象のスペインの最高賞アストゥリアス皇太子賞の文学部門を受賞したりしている。
その彼がアルバムに先がけてリリースしたシングル「Show me the place」、これがちょっと凄まじい美しさで、わわわ〜っと鳥肌が立った。


彼は、昔からミュージシャンというより詩人というイメージの大きい人で、これまでにも素晴らしい曲を沢山書いている。特別な言葉は何も使っていないにもかかわらず、詩人の紡ぎだす詩にはそこここにさりげない暗喩や遊びが込められていて、それは時に難解でもある。しかし、ぎゅっと圧縮されたそのイメージが彼の声に乗って放たれ、聴き手の心に届いた途端、それはふわっと解けて広がり、じんわりと静かに浸透していく。言霊の力。人の声の力。祈りが、そこにはある。


「歌」という漢字、「可」の”口”の部分は人体の口ではなく、祝詞を入れるための箱のことで、それを覆う”丁”は木の枝で、神に願いが叶うように振りかざして打つことを表しているのだそうな。(それで「可」は”ゆるす”という意味がある)その「可」をふたつ重ねた”哥”は神に願いが叶うようにと、木を振りかざしながら発する声のこと。そこに、人が口を開いて叫んでいる姿を表す”欠”を加えて「歌」ができた。剛っさんが「祝詞を上げるように歌をこぼす」と言うそのとおりのことが、文字そのものにも表されているのだ。


レナード・コーエンは77歳。ユダヤ教徒でありながら禅に惹かれ、臨済宗の僧でもある。彼はいつもどこか醒めた絶望の淵に在りながら、それでも救いを求めている。その暗く美しく静謐な響きが、洪水のような凄まじい力で迫ってくる。これもまた祝詞なのだ。


Leonard Cohen / Show me the place
http://soundcloud.com/leonardcohen/show-me


メリー・クリスマス。ちょっと早いですが、クリスマスをツレアイの家族と過ごすため、しばらく留守にいたします。皆さま、楽しいクリスマスをお過ごしください。KinKiコンへ行かれる方、私の分もペンライト振っといてください。よろしく♪


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あまりこの神聖な話題とは一緒にしたくなかったので、区切りますが(笑)、今日報道された、「ジャニーズの集めた義援金を仙台にパンダをレンタルする費用に遣う」というニュースにはちょっと耳を疑った。
震災の直後、被災地の人々に向け祈りをこめた千羽鶴や手紙を送りたいという方々が殺到したが、それらはまず送らなくてはいけない緊急の物資ではないということで、後回しにされた。
現在は、当時と比べたら余裕もできたが、それでもまだ被災地の多くは完全復興には程遠く、早急な義援金を必要とするところは多いはず。そこに、ファンの心のこもった浄財をレンタル料、諸費用で年間何千万もかかるパンダに遣うのはいかがなものか。パンダで子供にやすらぎを、ということ自体は悪いことではない。だが、今はまだそのタイミングではない、ということ。
さっさと「収束宣言」など出してしまった日本政府のパフォーマンスに利用されるようなことがあってはいけないと思う。ジャニーズ事務所の再考を願う。