祝「Nijiの詩」発売♪


祝「Nijiの詩」発売。
今回は「Technologia−意思」以外全曲が数年前に作られたもの。ほのかにE☆Eテイストも感じられるけど、それが意外と気にならない。詩の世界が今の世のトーンにマッチしているからかな。
全編を通して根底に流れるジャジーなアレンジがとにかく心地よい。
70年代から80年代にかけてを思わせるアレンジ、特にパーカッションやホーンセクションの使い方が、鼻先にレコードのビニールの匂いがするくらい懐かしい(これは私がおばはんだからです)。なんと言うか、イギリス発アメリカ経由の日本の音がするのだ。あの頃の職人系のミュージシャン(”アーティスト”とはあえて呼ばない)の音。座布団ありったけあげたいくらい、かっこいい。このシングル+カップリングの5曲(初回A盤+通常盤)でとんでもない完成度のミニアルバムが一枚できる。
私はジャニーズエンタテイメントの回し者じゃないけど、今回はこの2バージョン両方お買い上げをオススメ。


ただ、「音楽と人」のインタビューでは、「今回のシングルは、今後のアルバムでぼくが求めている音とは別」という発言があったそうなので、このちょっとレトロアダルト(?)な路線は今回限りということらしい。
今後のアルバムは「かなり攻めたモノ」とのこと。「今のぼくの中ではなかりアバンギャルドで面白いモノになる」そうなので、これはもう期待して待ちたいところ。
私は何に弱いかって「アバンギャルド」という言葉に弱い。時代の閉塞感に耐えられないアーティストの魂がつまらない固定観念をブチ壊そうとする試み、それはいつでも斬新で美しいフォルムを伴って現れるから。その愛に基づいたやや過激なアクションを以ってでしか、時代の流れは変えられない。
そういえば、「Nijiの詩」の当初「哀音・愛音」と表記されていた部分が「愛 暴動」に変わってましたね。やっぱブチ壊すには暴動 with 愛、なんだな。


しかし何がアバンギャルドかって、「Nijiの詩」のPV!結局全編あのまま海の中をゆく映像だけ!!剛っさんの姿なし!!!これをやろうと言い出した彼(絶対そうでしょ)とそれを許した事務所が一番アバンギャルド。観終わって、「参りました!」と思わず叫んだわたくしでした。


それにしても、彼の世界はどんだけ地球とシンクロしてるんだろう。
彼は「ココロ見」で、「環境をつくらないとモノゴトは入ってこない」という発言をしたが、このシングル(+カップリング曲)を聴くと彼は随分前から「環境」をつくることをしてきたんだな、と今更ながら思う。そして、その「環境」があったからこそ、そこに
3月の震災、そしてこの台風による災害と怖いほどシンクロした「Family〜ひとつになること」「縁を結いて」「Nijiの詩」という彼の想いが結晶となって「入ってきた(降りてきた)」のだ。


今回の台風、皮肉なことに奈良、和歌山、三重を擁する紀伊半島という、古代からの祈りの地に大きな被害を及ぼした。何故そんな聖地が、と悲しくなったが、ふと「自己犠牲」という言葉を思った。剛っさんの言う「求めず、捧げる」心。もしかすると、その地におわす神々が、己の傷つく姿を見せることで、私たちに警告を与えたのではないか、という気がしたのだ。
『世界は変わった。これまでの考えではコントロールできない。新しいアイディアが必要だ』
新たに創造するための破壊。パラダイムの変換。そんな言葉が聞こえてくるような気がする。