「永遠」を唱えろ


「Nijiの詩」の歌詞に「哀音を唱えろ」という部分がある。彼一流の言葉遊びのようだけど「あいおん」って何だろう・・。どっかで聞いたことあるような。調べてみると・・見つけた。多分コレでしょ。


「あいおん=aeon=アイオーン」ラテン語、ギリシャ語で「永遠」という意味。
ギリシャ哲学では、「時代」も意味し、占星術における「水瓶座の時代」にも通じる。自然現象や抽象概念なども神や精霊とみなしたギリシャ神話では、永遠・永劫を象徴するアイオーンは「時間の神」として知られている。
2世紀頃から5世紀頃にローマ帝国やその周辺で興隆したグノーシス派と呼ばれる人々にアイオーンは「真の神」とされ、超永遠世界にあって、男性アイオーンと女性アイオーンが対になって「両性具有状態」を実現して存在する、のだそうだ。


ふうん、やっぱり剛っさんはアクエリアスの時代を意識していた、もしくは感じていたんだ。「Technologia」にしても、なんでギリシャ語なんだと思ったけど、彼はこのグノーシス主義の世界にインスピレーションを得て詞を作ったりしたのかな。


私が「アイオーン」を聞いたことあると思ったのは、多分荒俣宏の神秘学の本だったように思う。確か心理学者のユングも「グノーシス主義」の研究者だったとかそんな話。私はあまり興味が湧かなかった、というか、「グノーシス主義」はキリスト教とかギリシャ神話とか、そちら方面の知識もないとよくわからない話なので、読んだもののもう全然記憶なし。(笑)


改めて調べてみると、グノーシス主義とは、『人間が神様と崇めているのは偽物の神であり、この悪のはびこる世界もまた偽物である。本物の至高神(真の神)の善に治められる世界はどこか他にある』『人間は至高神の性質を受け継いでいるので、やがて叡智とともに神のもとへ帰昇することができる』という思想であり、人間の「叡智(グノーシス)」をもって魂の救済を求めればそこに到達できる、というどこか仏教の「解脱」を思わせる世界観を持っている。
ものすごーくさっくりまとめたので、もう少し詳しく知りたい方はまずこのへんから。→http://www.weblio.jp/content/AEON
(ちなみに「ファイナルファンタジー13」はグノーシス主義の影響を受けているなんて言う人もいる。彼はやったことがあるのかしらん?)


オリ☆スタの6/27号に載った「十人十色」のレポート中に「Nijiの詩」の歌詞の一部が写っている。それと会場で自分でメモったものを見ると、「哀音を唱えろ」「愛音を奏でろ」とある。傷ついた人たちに私たちができること。


東日本大震災、まだまだ復興には時間がかかるだろうし、被災者の方々の心に虹がかかるのにはそれよりもっと時間が要ることだろう。それでも「答えのない愛などない」。世界中の人の捧げた祈りは必ず彼らの心の傷を癒し、時間もまたその手助けをするだろう。そう伝えに、彼はもうすぐ旅立つ。


哀しい音、愛しい音。この世界に降り注ぐ雨もいつか止み、青空を虹が彩る。
さあ、皆で「永遠」を唱えよう。
彼の澄んだ歌声が傷ついた大地を魂を包み込む。