まさかのまさかず@コペン


日本です。ぜーはー。
今回のフライト、コペンハーゲンでのトランジットが3時間半。それだけでもかなりダルかったのに、その上出発がまさかの4時間ディレイ。がーん。7時間半、この狭い空港で一体何をしろと・・?街に出るったって、世界三大ガッカリのひとつ「人魚像」はもう見ちゃったし。すげー天気いいけど、紫外線アレルギーだし。
しばし立ちくらみを感じていると、「お詫びにランチのクーポンあげっからデスクまで取りに来い」というアナウンスがあったので、泣きながら取りに行くと、たった75クローネ分。いくらかわかんないけど小額くさい。「ラウンジとか使わせてもらえないすかね?」とデスクのおばちゃんに訊くもアッサリ却下。泣きながらカフェに行くと、案の定買えたのはサンドウィッチのみ。


ランチ後、どーすっかなー。と空港内をぶらぶら。ひとところにずっといるのは退屈なので、カフェめぐりをする。しかし最近のカフェ事情、どこの国に行ってもカフェ=イタリアンカフェ。カフェってのはとにかくイタリア風な名前をつけることが法律で義務付けられているかのようだ。そうでなきゃスタバ。チョイスなさすぎだろっ。旅行をしたらその国のコーヒーの味を体験したいものなのだけど、最近はそれも難しい。でも、スタバって国によってかなり味が違う。意外にジモティーの好みを反映しているのだ。私の中でワーストはスイススタバ。多分スイス人のコーヒーの定義は「苦くて濃い」なのだと思う。勇気のある方はお試しを。


しかし、どこの空港も最近はきれいになったなーと思う。実は今一番使ってみたいのがアエロフロート。貧乏で怖い物知らずなOLだった頃、とにかく安いってんでヨーロッパ旅行時によく使ったのだが、ペレストロイカ以後金満街道まっしぐらのロシアの成長ぶりが、そのサービスとモスクワ空港の様子にあからさまに表れて面白かった。今はどんなことになってるんだろー。
90年代の初め頃、アエロフロートには座席指定がなかった。ゲートが開くと同時に、旅慣れたバックパッカーを主とする乗客が全員4歳馬のごとく猛ダッシュ。機内に飛び込んだらそのまま座席にダイヴして4席確保、そそくさとベッドメーキングをして爆睡体制に入る。モスクワ〜成田が満杯なんてこたぁ有り得なかったので、そんなことも可能だった。
空港内は真っ暗で、トランジットエリアのピンスポットみたいな薄暗い照明に、ウォッカとタバコとマトリョーシカと毛皮の帽子しかない小さな免税品店とドルしか使えないパブだけがぼぉっと浮かんでいた。それが行く度に広くなり、物が増え、空港内の照明も明るくなっていった。そしていつしか売り子のおばちゃんはきれいなおねえちゃんになった。


一度、70年代のアエロフロートの国内便の様子をTVで見たんだけど、これがまあ凄まじくて。なんと当時は機内に家畜持ち込み可。羊やヤギがひしめき(さすがにそれより大きな動物はいませんでしたが)糞尿タレ流し可。到着後、ベルトコンベアーには荷物と一緒にカチンコチンに凍った皮を剥がれたヤギなんかが荷物と一緒に流れていたり。なるほどね。当時は飛行機も、あの広い大地の下、放牧をしていた人々の「ビジネス」用であった、と。


そんなこと考えながらコペンハーゲン空港のカフェでぼーぜん7時間半。でもやっと乗り込んだ機内がそれほどスカスカではなかったにもかかわらず、私の座った列は全て空席。あの頃アエロフロートで夢に見た4席独占で爆睡帰国ができました。
めでたし。