SHAMANIPPONのキーワード


JR東海の「ひととき」に載った剛のエッセイを読む。
天河神社で「縁を結いて」を書いた時のことを綴ったもので、
『天から降りてくるように、僕の中から詩とメロディーが湧き上がってきた。その神社は音楽に霊験あらたかな弁財天をお祀りしているという。僕が訪れたのも偶然ではないだろうと宮司さんはおっしゃった。この「縁を結いて」は奈良の神様から託された歌だと思っている』、とある。


実はこの数日、「縁を結いて」のPVでの巫女姿の剛が頭を離れず、改めてシャーマンとしての巫女や古代の信仰などについて調べていたら、いくつかの面白い「繋がり」に出くわした。


★彼があの曲を「託された」天河神社は「弁財天」とあるが元々はアマテラスの娘、イチキシマヒメノミコト(市杵島姫命)を祭ったところ。奈良時代頃の神仏習合で弁財天や宇賀神と一緒に祀られていたため、今も弁財天として信仰されているが、正しくは現在の主祭神は水の神イチキシマヒメノミコトなのだ。
このイチキシマヒメノミコト、実は別名をサヨリビメといい「神霊の依り付く姫」という意味でシャーマン的な存在であったらしい。その彼女の母親であるアマテラスはあの元祖シャーマン卑弥呼と同一人物とも言われている。


★剛の好んで身につけているものに三角模様があるのはご存知のとおり。「あらびき団」では全身三角模様だったこともあったよね。E☆Eの「Sankaku」といい、彼が「三角」になにやら強迫観念に近いものを抱いているのは確かだが、古墳時代のハニワの巫女の衣装にもよく蛇のウロコを意味する連続三角紋様が描かれているそうな。
というのは、日本には古くから蛇信仰があり、天河に弁財天とともに習合された宇賀神、実はこのお方も蛇や人頭蛇身姿の神。それに「縁を結いて」の通常盤ジャケット写真、あれは三輪山からの景色(奈良在住の方がブログ上で証言)なのだそうだが、その三輪山の主祭神である大物主も蛇神だという。


★「巫女」の「巫」という字。
これは表意文字で、上の横一本線が「天」を、下の横一本線が「人間の世界」を、そして人と人の間にある縦一本線が「神と人を繋ぐ」という意味なのだそうだ。
そして、剛の好きな「虹」は古くから日本だけでなく世界中で「蛇」と同一のイメージを持つものであり、そしてまた古くからあの世とこの世を繋ぐもの=神霊の渡る橋というイメージを持たれてきた。


こうして堂本剛という人間の周りにあるキーワードを掘り下げていくと、それはどれも根底でしっかと繋がっている。それに彼が全く気づいていないということは考えにくく、凝り性な彼のこと、少なくともここ数年は古代史など無意識に惹かれてしまうものを含め、自身のルーツ=魂のルーツについてとことん調べ考えたはずだ。
その集大成がSHAMANIPPONであり、あの巫女姿なのだとしたら、そりゃもう確信犯。間違いなく「偶然ではなく必然」の所為。それに付き合うこっちもそれなりの覚悟で臨まねば、ということですね。
今度日本に帰った際は、私も天河参り絶対するぞ。