堂本剛 言霊のひと<前編>


剛のSHAMANIPPON計画、BARFOUT!という雑誌での連載で語られているそうだけど、残念ながら田舎の書店では手に入らず、ワタシはまだ実際には全く読んでいないのよね。一度、どんな語り口なのか見てみたいんだけど。※どなたか内容を紹介してるブログなどご存知でしたら教えてくださーい。


ただ、剛が日本史、特に古代史に凝っているのは確かなようで、「日本人は古代に戻るべきだ」とか言ってるよね。
その古代に形づくられた「言霊」という日本独特の文化が、今の彼の言動を読み解く大切なキーワードだと思うのだけど、その入口はこんなところじゃないかと思うのが、井沢元彦:著「逆説の日本史」。
94年から刊行が始まって、今単行本では17巻、文庫で13巻まで出てます。その中の1〜3巻が古代編。日本人の世界観をつくった怨霊信仰、言霊信仰などについて説明され、日本史に苦手感のある人にもわかりやすく、これまでの日本史の常識を覆す(だから”逆説”なんですね)考察が展開されてます。これがもうとんでもない説得力で面白くって、するすると読めてしまう。


ワタシは7、8年前に「陰陽師」というマンガを読んだのがきっかけで「逆説〜」を知り、以来ヒマがあると読み返したりしつつ10巻(戦国時代あたり)まで読みました。が、やっぱ一番惹かれたのは古代編。ほんと弥生時代くらいから日本人の考えは何も変わってない!そのオモシロさに剛も惹かれたのかな。


というわけで、SHAMANIPPONの建国前に、剛の一番こだわってる気がする 「言霊」について、「逆説〜」からの受け売りを(かなり)交えて、ちょっと書き出してみたいと思います。


ググると必ず出てくるのが、
「言霊=古代日本で言葉に宿っていると信じられていた不思議な力のこと」。
それは、口から発せられた言葉の力に呼応して現実も動く、という考え方。
例えば遠足の前日に誰かが「明日は雨だ」と言って、本当に雨が降った場合、「おまえがあんなこと言うから本当に雨が降ったじゃないか!」なんて叱られる。
一昨年KinKiがスマスマに出た際、勝者であるキムタク×草薙ペアに包丁のセットを贈って、後で「人に刃物を贈るのは”縁を切る”を意味する」と言われて慌てて「5円=ご縁」をあらためて二人に贈った、というエピソード。
その他にも、受験生に「すべる、落ちる」は禁句、「四」という数字を嫌う、とか「縁起でもないこと」を嫌がる人は皆全く意識せずに言霊の力を信じているというわけ。 現代に於いても日本人はこれほどまだ言霊の力に支配されているのだ。


が、それはこの言霊の力を借りて願い事を成就させることもできる、ということ。  言霊の生きている世界では、願い事を口にすればそれは現実となるのだ。
これを「言挙げ(コトアゲ)」という。


そう、これなんですね、剛がやっているのは。
以下は「逆説の日本史」の3巻にあった、憲法第九条に関する朝日新聞の社説の中で、大新聞の編集委員まで言霊信仰に影響されているとされる一文。
『僕はいつも反戦を語る。一人ひとりが反戦を言う。そのネットワークを広げる。  いや、たとえたった一人でも、僕は反戦、反軍を言う』
この中の「反戦(反軍)」を「愛」に変えてみましょう。と、いきなり「剛語録」。
こうあってほしいと願うことを全て口にする。しつこい、クドい、ウザいとファンにまで言われるほど繰り返し彼の口から放たれる「愛」「愛」「愛」。
それは彼が言霊を信じるからに他ならない。


<つづく>