堂本剛、かかって来んかいっ


今週に入って毎晩「サンレモ音楽祭」を観ている。
この時期イタリアで毎年開催されるイタリア人のためのイタリア語の歌のみを対象とするソングコンテストで、歌あり、コントあり、ゴージャスなゲスト陣による余興あり。それが毎晩4時間1週間にわたり生放送される、日本の紅白+FNS歌謡祭+お正月バラエティみたいな、どこを切っても濃ゆいラテンの血が騒ぐこてこてのイタリアが聴ける大イベントなのだ。
※ちなみにこれはワタシ的な今回の拾い物。かっこいいおねえちゃんです。http://www.youtube.com/watch?v=KdEDKuw0c_w


そして、そのテのドメスティックな大会の勝者を集めたユーロビジョンというヨーロッパの国々から選ばれた、特に若いアーティストたちが競うソングコンテストも好きで毎年観ている。
こっちは普段観れない例えばモルドバとかマルタとかクロアチアとか超マイナーな国のミュージックシーンも垣間見れる貴重なイベント。最近はどこの音楽界も完全なグローバリゼーションの波に呑まれて、安っぽいアメリカンポップスみたいな曲が多いけど、それでもまだちょっとしたメロディとかアレンジにDNA単位で刷り込まれている民族の血の匂いを感じたりできるのが楽しい、音楽の欧州選手権的イベントなのだ。


剛がラジオで「フランスでライブをやってみたい。日本人が本気でファンクやバラードやったら面白いヤツが来たと思ってもらえそうだし、本物志向のあの国ならぼくのメッセージが届くという直感がある。ダメなら叩きのめされそうなところもいい」てなことを語っていた。
以前「フランス辺りのJapan ExpoにNYCとか突っ込んだら日本オタクのフレンチギャルに大うけ間違いなし」というようなことを書いた。それは日本人が日本の文化を広めていく上でのマーケティング的なひとつの入口である。が、いつもどおりあの男はあくまでも正攻法で、正面玄関から入りたい、と言うのである。


もちろんそれも「アリ」である。確かにフランスという音楽大国の懐は広く深い。それはあそこが移民大国だからでもある。
フランスだけでなく、地続きのヨーロッパでは今までにもう果てしない数の混血が繰り返されてきた。どこの国から来た、なんてそんなこたあ関係ない。日本人アーティストがフラッとやってきても面白ければすぐに受け入れてもらえる。「Secret Code」でお馴染み(笑)東京スカパラダイスオーケストラも毎年のようにヨーロッパ各地でライブをやっている。日本人がスカやってもモルドバ人がロックやってもアイスランド人がラップやっても聴いてて楽しかったらなんでもいいんである。身体を揺らし、声を出すことに人種なんてオリジンなんて関係ない。


だが、だからこそ実力=オーディエンスを楽しませる力が問われる。
ユーロビジョンなんて出場国全部で生中継されている最中の視聴者投票で勝者が決まるから、自国の組織票だけじゃ勝てないんである。全く違うバックボーンを持つ人々にもアピールすることが求められる。それには、単に聴きやすいアメリカナイズされたサウンドでもテクニックでももちろんリリックでもない「何か」でもって、オーディエンスの心を共震させないといけないのだ。


そんなところでやってみたいのならもうそりゃあウェルカムっすよ。剛さんっ。
ほんと、どこかヨーロッパのサマフェスでE☆Eやってくんないかな。