あけおめカウコン観


あけましておめでとうございます。


何気に2ヶ月空きましたが、生きております。しかも、日本で1ヵ月半ものほほんと里帰りを楽しんでおりました。実家のPCが壊れたのをこれ幸いとブログの更新もせず(笑)。心配してくださった方々もいらっしゃるようで、ほんとうにありがたいです。


やっと通常営業に戻り、現在某所でせっせとその間の番組をチェック中。カウコンもリアルタイムで観たかったけれど、基本チャンネル権のない居候が、しかも平均年齢のえらく高い一家が揃って「ゆく年くる年」観てる時に「ジャニーズのカウントダウン観てもいい?」とかさすがに言えなかったわけで。


カウントダウンコンサート、略してカウコン(何の略かわからなくてググった3年前)。今年はV6もいなくなってますます若返りに拍車がかかった感があったものの、それなりに楽しく観た。普段KinKiの情報を追っていて時々引っかかってくるJr.を含む後輩たちの名前など照らし合わせながら、「おお、これがウワサの!」とか「ううむ、こいついい目をしているな」とか、若いキラキラを眺めるのもまた楽しいもので。


後輩くんたちが奮闘し、KinKiが仕切り、タキツバ、そしてマッチさんと、去年どっかで観たようなメンツが銃後を守る(コーイチくんはCM中に「中立(組)」と言い切ったそうでありますが。好き♡)。
しかし、あの会場に来ている、もしくはTVで観ている10代20代の観客にマッチさんというのは一体ナニモノに映るのだろーか。「ミッドナイトシャッフル」というKinKi世代にギリで身近に感じられる曲で96年。「ギンギラギンにさりげなく」に至っては81年。KinKi Kidsですら2歳。あの会場にはまだ生まれてもいない人々も多かったと思われる。そう考えるとマッチさんは、私の世代がTVの「懐かしのメロディー」で観た元祖御三家(橋幸夫、西郷輝彦、舟木一夫)のよーな「伝説のアイドル」的なアイコンとして登場するのかな。
年に一度のこのジャニーズの顔見世興行的イベント、歴代の先輩アイドルたち(ジャニーズ、フォーリーブス、郷ひろみ、田原俊彦etc.)の名曲が後輩くんたちによって披露され、マッチさんがKinKi Kidsにうやうやしく迎えられるのを観ることで、後輩くんたちだけでなく観客もまた、脈々と受け継がれるジャニーズのDNAとでもいうようなものを無意識のうちに刷り込まれてゆく。そんななにか壮大な野望の気配もする、それがカウコン。


と、こんなことを考えたのは、この記事を読んだから。
博多大吉が語る「今の20代がテレビを観なくなった理由」
http://numbers2007.blog123.fc2.com/blog-entry-3037.html


この「わからない」と言う女の子の気持ち、ものすごくわかる気がする。今お笑いの大御所と言えば40代〜50代の芸人さん。中堅と呼ばれる人たちでも30代後半。少し人気に翳りが出たと言われていても彼らがなお数字を取れるのは、ちゃんとお茶の間でリアルタイムでTVを見ている層が彼らと同じ世代で、その「お約束」を一緒に笑えるからだろう。例えば、大御所とんねるずの「細かすぎて伝わらないモノマネ」なぞ観ていると、その笑いの意味すらわからない世代がいても全然おかしくない。昔私がその時代を共有しなかった御三家を見てもこれっぽっちもかっこいいと思えなかったのと同じように、彼女にもおじさんたちの笑いのツボなど皆目わからないに違いないのだ。


いかに視聴率を稼ごうかと制作のおじさんたちが手を替え品を替え頑張っても、録画や動画で自分の見たい時に見るから数字に反映されない。ならばと、近い将来その番組を見た人がTwitterでつぶやいた分も視聴率に組み込む、なんて話もあるそうだが、ここに来て結局どうにも取り込めない「TVを見ない」層というものが育ちつつある。


むろんジャニーズとて視聴率は無視できないが、多方面に着々と人材を送り込んでいるところをみると、やはり若い層も取り込めることは強味なのだろうなあ。しかも本業の歌番組の少ないことも追い風となり、彼らの歌をじっくり聴けるコンサートへの動員に繋がるし、カウコンがそのPRにもなる。ううむ、独り勝ちとはこういうことか。


そう考えると、この顔見世カウコンは、その戦後長きにわたる帝国の繁栄を寿ぐとともに、怠りなく着々と次世代を担う若手を育てるジャニーズというブランドの信頼と実績のお披露目会という役割もあるわけで、しみじみその帝国たる所以を思う。


さて今年も、「出しすぎは飽きられるぞー」とか時々ヤジなど飛ばしつつ、このバブル感漂う進撃のジャニーズを遠い電柱の陰からそっと見せていただくことにいたしまする。