ジャニーズ中国でJr発掘へ


今日は(日本時間ではもう5日になったので)、KinKi Kidsの「出逢い記念日」。1991年5月5日横浜アリーナで、と日にちがはっきりしているから、今夜も日付けが変わった途端、twitterにファンからのお祝いメッセージが踊った。


ところで昨日はこんなニュースが。 
『 ジャニーズ事務所が、中国人アイドルをプロデュースする。同事務所社長、ジャニー喜多川氏(80)が3日、Hey!Say!JUMPのアジアツアー初日公演が行われた横浜市の横浜アリーナで構想を語った。中国側から「中国Jr.」を望む声が高まっており、今後オーディションを行う予定。合格したアイドル候補たちを日中両国を行き来させ、Jr.として育成していく。 「今、中国から資料を集めている段階。対象者は、中国在住の10代の少年。中学生ぐらいですね」。
現在、中国では政府が補助金を出すなどして、芸能文化を広げようとする機運が高まっている。中国側のニーズと海外進出を狙うジャニー氏の戦略が合致した形だ』


なるほろ。パンダ外交の次はアイドル外交。この国には中国とまっとうに外交のできる政治家はおらんのか。
ま、確かに世界中で日本のアニメを観て育った子供たちが親になり、今その子供たちがアニメを観たりJ-POPを聴いて育ち「ジャニーズJr.」を目指してもなんらおかしいことはない。


このブログを始めたばかりの頃にも同じようなテーマで書いたことがあるけれど、ヨーロッパの多くの国の今40代以下の人たちはほとんど日本のアニメで育っている。「ハイジ」「ルパン三世」「ベルサイユのばら」「キャンディ・キャンディ」「釣りキチ三平」「ドラゴンボール」etc.。そして今では大きな本屋には日本マンガの翻訳本やジブリのア二メDVDずら〜っと並ぶ。ジャパン・フェスティバルにはコスプレ族が集結し、日本食品店には「マンガで見て一度食べてみたかった」と嬉しそうに和菓子を買う高校生が来る。そして日本で無名のヴィジュアル系バンドが大人気。ジャニーズも2006年にテゴマスがスウェーデンで、昨年剛っさんが「NIPPON」でCDデビューした時も、思ったより(失敬!)大きなリアクションがあった。アニメやマンガから広がり始めた日本文化が、ここに来てネットの普及とともに完全に「スタンダード」なものになりつつあるのが感じられる。


ヨーロッパだけでなくアジアも同じだろう。これも2006年、ジャニーズがタイの芸能プロダクションと組んで山Pとユニットを組ませたたこともあった。どうもこの頃ジャニーズは海外に手を広げようと目論んだ形跡がある。が、後が続かなかったところを見ると「時期尚早」と見たんだろうか。
しかし、わずか6年前のこととは言え、多分そこからアジア圏でのネットの普及率は、FacebookやtwitterなどのSNSの環境が整うにしたがって劇的に伸びたはず。ここ10数年間毎年アジア諸国でいくつかの公演をすることで細々と関係を保ってきた感のあるジャニーズだけど、ボチボチ本腰を入れても大丈夫な手応えを得たのかもしれない。パンダのレンタル料も払うし。(笑)


中国や韓国は、日本と違ってどちらかと言うと、芸能に関してはアメリカ的なテクニック重視の気風があると思う。これは韓流ブームを語るときによく言われたことだけど、彼らにはシロウト芸の大好きな日本的な(=ジャニーズ的な)「ゆるさ」というものは感じられない。日本でのウケ狙いというより、既に世界が照準に入ってるかのような本格的なサウンドやダンスが新鮮に見えた。
そんな韓国では今でも日本の歌曲が公に放映されるのには制限があるそうな。中国のTV状況もよく知らないけれど、推して知るべし。が、ネットがあればきょうび公共の電波をアテにせずとも情報を得ることは簡単だ。多分かの国々では今大きな価値観の多様化が始まっていることと思う。怒涛のように押し寄せる新しい情報に文化の土台がグラつき、大きな地割れや空白地帯ができたところに、新しいもの=日本的な価値観がするりと入ることは十分可能だろう。そうやって日本も戦後変わってきたのだ。
ま、ゆる〜い日本文化を海外で100%受け止めてもらうことなぞ考えずとも、現地法人化してジャニーズというブランドだけ使わせて、その国の文化に見合ったアイドルを作るビジネスだって可能なのだけど。


今年は「shamanippon−ラカチノトヒ−」も台湾で発売になったし、Hey!Say!
JUMPの香港公演があるとか、その他にも「今回中国でアイドルにふさわしい人材を発掘できれば、11、12月に東京・帝国劇場で上演する喜多川氏作・演出のJUMP主演舞台「JOHNNY'S World」に出演させ、ジャニーズJr.として日中両国で活動させる意向」だとか、相変わらずいろいろ話題には事欠かないジャニーズなのでした。
そんなお忙しいところすみませんが、奈良ライブの発表のほうもボチボチよろしくおねがいします。。


と、ちょっとお知らせなのですが、5月6日(日)東京流通センターで開催される文学フリマにてジャニーズ文芸同人誌「少年コレクションvol.1」の頒布があります。スペースはFホール エ−46。「自担」についての考察を、ということでご依頼をいただき、わたくしがKinKi Kidsを担当いたしました。ほんとなんだかとんでもないことをしてしまった気がしておりますが(汗)、ご興味のおありの方は現地でお買い求めいただけます。詳細はこちら→ http://d.hatena.ne.jp/boys_collection/20120421/1334982137