「縁を結いて」はテクノか


近田春夫が言う。
「昔は自然なもの(声)を人工的に聴かせる、ってことをやっていたけど、今は自然なのもをあり得ないくらいナチュラルに、という傾向にある」。
これは彼がPerfumeのサウンドについて語ったもの。
「昔」というのは70年代後半〜80年代にかけてのテクノブームの頃。シンセサイザーが普及し、お手軽にキーボードひとつで曲が作れるということで打ち込みなんかを多用したテクノ風歌謡曲も沢山作られた。


そして時はめぐり、80年代回帰の昨今、いわゆるテクノトランス物以外の、懐かしい音のするテクノ歌謡をやるミュージシャンがまた増えているみたいね。実際PerfumeやPolysicsを聴いた時はあんまり懐かしくて笑ってしまった。


剛は音楽なら何でも聴くそうだけど、今好きなのはフレンチ&ジャーマンテクノなのだそうな。そう言われて気がついた。244 Endli-xの「I AND 愛」のサウンドが、例えば「深紅のSEPPUN」なんかのアレンジがワタシにはミョーに心地よかったのはそのせいか。
しかしなんでそんなマニアックなとこついてくるかな。彼の近辺には70年代から80年代のニューエイジ・サイエンスとか音楽とか、サブカルおたくの人が絶対いる。


フレンチテクノは当時「おしゃれ」という一点について、Les Rita Mitsoukoとか、MIKADOとかDesirelessとか日本でも人気あったけど、アートっぽさとロリータがミックスされたかんじの軽いものが多かった。今だとAlizeeみたいなフレンチロリータが典型的なかんじか。でろでろにエロ可愛いくって聴きやすい。


一方、ジャーマンテクノは一言で言うと「変態」。(おばはんはこっちが好きでした)「指一本で作りました」系のへタレなものからメタルノイズ炸裂の破壊的なものまでいろいろあるけど、変なもの好きの剛には深く掘り堀りするのは楽しいかも。
Kraftwerk、Kluster、DAF、Der Plan、Palais Schaumburg、Klaus Nomi、Torio、Einstuerzende Neubauten、Andreas Dorau、Alphaville etc. 最近のはよく知らないんだけど、Polarkleis 18は好き。


剛の言うように、テクノって要は電子音楽だからサウンドが無機的になる分、ソフトにやればソフトに、エグくやればどこまでもエグく、「乗っけたもの」(表現したいもの)がクリアに露呈する。自然や人の心というナマモノを歌う彼がテクノに傾倒するのはほんと面白いが、逆にわかりやすい気もする。
それにいろんな音をサンプリングして重ねていく作業は、なんでも自分でやりたい剛には楽しいかもしれない。


「縁を結いて」、まだどんな音かわからないけど、244 Endli-xからの発展形なら面白いなあ。


そういえば、剛は「フランス人と結婚なんてのもいいなあ」なんてことも言ってたけど、これはAlizee辺りを意識した言葉ではなかったかとおばはんはニラんでいる。日本の男だけでなく全世界の男を骨抜きにする、恐るべきフレンチロリータはこんなかんじ。白いソックスがあざとくエロいです。
http://www.youtube.com/watch?v=zfXBNQMj2SE&feature=related


ついでにジャーマンテクノの「脱力系」と「エグい系」も、もしよろしければ。
http://www.youtube.com/watch?v=HAFPAIkXPYw&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=cB121qgYmv8&feature=related